副腎PEComaの1例

「抄録」 : 血管周囲類上皮細胞腫瘍 (Perivascular epithelioid cell tumor : PEComa) は血管周囲類上皮細胞 (Perivascular epithelioid cell : PEC) に由来する間葉系腫瘍で類上皮細胞を主体とした増殖を示す. 今回われわれは報告の極めて少ない副腎原発PEComaの1例を経験した. 症例は64歳, 男性. X - 5年, 健康診断で左副腎腫瘍の指摘あり. 各種ホルモン基礎値測定, デキサメタゾン抑制試験を施行されたが異常所見なく, 左内分泌非活性副腎腫瘍 (径26mm大) の診断で近医経過観察されていた. X年, CT...

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Published in西日本泌尿器科 Vol. 85; no. 1; pp. 19 - 22
Main Authors 潘佳真, 中山祐起, 坂野滋, 城嶋和孝, 山田優衣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本泌尿器科学会 01.10.2022
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ISSN0029-0726

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Summary:「抄録」 : 血管周囲類上皮細胞腫瘍 (Perivascular epithelioid cell tumor : PEComa) は血管周囲類上皮細胞 (Perivascular epithelioid cell : PEC) に由来する間葉系腫瘍で類上皮細胞を主体とした増殖を示す. 今回われわれは報告の極めて少ない副腎原発PEComaの1例を経験した. 症例は64歳, 男性. X - 5年, 健康診断で左副腎腫瘍の指摘あり. 各種ホルモン基礎値測定, デキサメタゾン抑制試験を施行されたが異常所見なく, 左内分泌非活性副腎腫瘍 (径26mm大) の診断で近医経過観察されていた. X年, CTで腺腫径50mm大と増大あり当科紹介. 左内分泌非活性副腎腫瘍, 左副腎癌の疑いに対し腹腔鏡下左副腎全摘除術を施行した. 病理診断は副腎PEComaであり, 潜在悪性とされた. 本症例は術前にPEComaの鑑別診断を行ってはいないが, 4cm以上と増大傾向にあり悪性の可能性や破裂リスクから摘出を行った. 小径の内分泌非活性副腎腫瘍は従来通り径変化フォローを行い増大があれば, 摘出を考慮すべきことに変わりはないが, 摘出標本の病理診断の中にはPEComaといった潜在悪性を有するものも存在する. 副腎内分泌非活性腫瘍の中でも極めて稀な副腎PEComaの1例を経験した.
ISSN:0029-0726