造血器疾患に合併した重症感染症に対するpanipenem/betamipronの臨床的検討

造血器疾患に合併した重症感染症173例を対象とし, panipenem betamipron (PAPMBP) の有効性と安全性を検討した。 1. 有効性評価対象137例での臨床効果は, 著効35例, 有効51例, やや有効7例, 無効44例で有効率62.8%であった。 2. 先行抗菌薬投与のない症例での有効率は71.9%, 先行抗菌薬が無効もしくは効果不十分の症例での有効率は41.5%であった。 3. PAPMBP投与前好中球数が100mm3以下の症例での有効率は52.5%, 投与後100mm3以下での症例の有効率は50.0%であった。 4. 安全性評価対象173例中副作用は19例にみられ,...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 47; no. 1; pp. 35 - 42
Main Author 長谷川, 稔他
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.01.1999
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.47.35

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Summary:造血器疾患に合併した重症感染症173例を対象とし, panipenem betamipron (PAPMBP) の有効性と安全性を検討した。 1. 有効性評価対象137例での臨床効果は, 著効35例, 有効51例, やや有効7例, 無効44例で有効率62.8%であった。 2. 先行抗菌薬投与のない症例での有効率は71.9%, 先行抗菌薬が無効もしくは効果不十分の症例での有効率は41.5%であった。 3. PAPMBP投与前好中球数が100mm3以下の症例での有効率は52.5%, 投与後100mm3以下での症例の有効率は50.0%であった。 4. 安全性評価対象173例中副作用は19例にみられ, 副作用発現症例率は11.0%であった。主な副作用は肝, 胆管系障害で重篤なものはなかった。 以上からPAPM BPは造血器腫瘍に合併する重症感染症に対し優れた有効性を有することが確認された。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.47.35