腰椎椎間板障害に対する腰椎伸展運動

腰椎椎間板障害患者に対する腰椎伸展運動の効果を検討するため, 腰椎伸展運動を導入する以前に, 入院により保存的療法を行った患者34名と, 導入後, 外来で初診時に腰椎持続伸展療法を行い, 翌日から家庭で腰椎伸展運動を行った69名を対象とした. 対象はともに発症後2週間以内の急性患者とした. 治療効果は, 体幹屈曲時の指床間距離と疼痛の有無, SLRテスト, 腰痛や下肢痛の変化について検討した. 治療後3週間で, 腰痛や下肢痛が『消失したもの』と『時にあるもの』を加えると, 入院群は52.9%, 外来群79.7%となり, 腰椎伸展運動は入院治療群に比べても有効な治療法であった. また, 症状が軽...

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Published in理学療法学 Vol. 21; no. 1; pp. 7 - 12
Main Authors 青木一治, 平野孝行, 寺西智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 31.01.1994
日本理学療法士学会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00001306750

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Summary:腰椎椎間板障害患者に対する腰椎伸展運動の効果を検討するため, 腰椎伸展運動を導入する以前に, 入院により保存的療法を行った患者34名と, 導入後, 外来で初診時に腰椎持続伸展療法を行い, 翌日から家庭で腰椎伸展運動を行った69名を対象とした. 対象はともに発症後2週間以内の急性患者とした. 治療効果は, 体幹屈曲時の指床間距離と疼痛の有無, SLRテスト, 腰痛や下肢痛の変化について検討した. 治療後3週間で, 腰痛や下肢痛が『消失したもの』と『時にあるもの』を加えると, 入院群は52.9%, 外来群79.7%となり, 腰椎伸展運動は入院治療群に比べても有効な治療法であった. また, 症状が軽快せず, 手術に移行するかどうかもこの治療法である程度予測可能であることがわかった. 急性腰椎椎間板障害に対する保存的療法は, 一般に薬物療法を初めとして, 安静臥床や温熱療法, あるいは疼痛が強い場合には入院による安静, 持続骨盤牽引などの言うなれば受け身の治療が行われているのが現状である.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00001306750