床上移動動作の筋電図学的分析

床上移動は日本式家屋内で生活していく上で必要な動作である. 特に, 何らかの身体障害により歩行不能に陥った身体障害者にとっては, この床上移動動作は歩行に代わる屋内の移動手段として重要であり, 獲得すべき動作である. また, 歩行の前段階として上下肢および体幹の身体能力を高めるためにも重要である1). 床上移動には膝歩き, 四つ這い, いざり這い, 臥位移動, さらに, 片麻痺者にみられる患側上肢を接地しない三つ這い移動などがある. これらの動作を行うためには, 十分な身体能力, すなわち体幹ならびに四肢の運動能力が必要となる. この運動能力を分析する方法として, 身体各部位の時間的な位置的変...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法学 Vol. 16; no. 2; pp. 111 - 116
Main Authors 篠原英記, 市橋則明, 中田雅子, 武政誠一, 吉田正樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 10.03.1989
日本理学療法士学会
Japanese Society of Physical Therapy
Online AccessGet full text
ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00003125889

Cover

More Information
Summary:床上移動は日本式家屋内で生活していく上で必要な動作である. 特に, 何らかの身体障害により歩行不能に陥った身体障害者にとっては, この床上移動動作は歩行に代わる屋内の移動手段として重要であり, 獲得すべき動作である. また, 歩行の前段階として上下肢および体幹の身体能力を高めるためにも重要である1). 床上移動には膝歩き, 四つ這い, いざり這い, 臥位移動, さらに, 片麻痺者にみられる患側上肢を接地しない三つ這い移動などがある. これらの動作を行うためには, 十分な身体能力, すなわち体幹ならびに四肢の運動能力が必要となる. この運動能力を分析する方法として, 身体各部位の時間的な位置的変化を捉えた運動学的分析や, 床反力計, 加速度計などによる運動力学的分析, さらには筋電図動作学的分析がおこなわれる2). 本評価シンポジウムでは, 健常人の四つ這い移動と三つ這い移動ならびにいざり動作を筋電図動作学的側面からの分析を試み, 床上移動動作をおこなうにあたり身体諸筋にどれだけの活動が必要かを検討し, 若干の知見を得たので報告する.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00003125889