顎関節クローズド・ロックの保存療法の治療評価に関する臨床的検討

1994年の1年間に当科を初診したクローズド・ロック患者206名について当科のクローズド・ロック治療チャートに従って保存療法を施行し, 保存療法の治療効果を検討し, 以下の結果を得た。 (1) クローズド・ロックが解除された症例はマニピュレーションによって47例 (22.8%), 薬物療法によって14例 (6.8%), ピヴォットスプリント療法によって12例 (5.8%), パンピングマニピュレーションによっては13例 (6.3%), 計86例 (41.7%) であった。非解除症例に比べて解除症例はロック期間および雑音自覚期間が有意に短く, 初診時自力最大開口量において有意に小さく, 初診時自...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 8; no. 2; pp. 453 - 464
Main Authors 小野, 富昭, 榎本, 昭二, 依田, 哲也, 櫻井, 仁亨, 塚原, 宏泰, 宮村, 壽一, 阿部, 正人, 三井, 妹美, 坂本, 一郎, 依田, 泰, 谷口, 亘, 森田, 伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 20.09.1996
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu1989.8.453

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Summary:1994年の1年間に当科を初診したクローズド・ロック患者206名について当科のクローズド・ロック治療チャートに従って保存療法を施行し, 保存療法の治療効果を検討し, 以下の結果を得た。 (1) クローズド・ロックが解除された症例はマニピュレーションによって47例 (22.8%), 薬物療法によって14例 (6.8%), ピヴォットスプリント療法によって12例 (5.8%), パンピングマニピュレーションによっては13例 (6.3%), 計86例 (41.7%) であった。非解除症例に比べて解除症例はロック期間および雑音自覚期間が有意に短く, 初診時自力最大開口量において有意に小さく, 初診時自覚的疼痛度においては有意に大きかった。 (2) 再ロック症例は30例, 29.1%にみられた。 (3) ロック期間が2週間以内であると, クローズド・ロック解除率は74.6%であったが, 1か月を越えてしまうと16.8%と低下した。 (4) 保存療法治療奏功例は6か月経過において163例, 79.1%となり, ロック期間はは罪奏功症例と比べて短く, 初診時VASにおいては大きかった。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu1989.8.453