臨床現場における薬剤師の役割 (13) 付属病院の患者データに基づいた経口抗凝固薬の抗凝固作用の推定

「はじめに」小谷らは心房細動の新規発症率は2.5/1,000人年であると報告している. 非弁膜症性心房細動(nonvalvular atrial fibrillation: NVAF)では脳梗塞の発症率は年平均5%である. 本邦では現在約80万人以上の心房細動患者がいると推定されていることから経口抗凝固薬の使用は臨床上極めて重要である. 長年にわたり使用されてきた経口抗凝固薬はワルファリンのみであったが, 最近10年以内にエドキサバン, アピキサバン, リバーロキサバン, ダビガトランの4種類の直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant: DOAC)の使用が可能となり...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 20; no. 1; pp. 4 - 9
Main Authors 宇波奈央子, 伊勢雄也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 01.02.2024
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ISSN1349-8975

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Summary:「はじめに」小谷らは心房細動の新規発症率は2.5/1,000人年であると報告している. 非弁膜症性心房細動(nonvalvular atrial fibrillation: NVAF)では脳梗塞の発症率は年平均5%である. 本邦では現在約80万人以上の心房細動患者がいると推定されていることから経口抗凝固薬の使用は臨床上極めて重要である. 長年にわたり使用されてきた経口抗凝固薬はワルファリンのみであったが, 最近10年以内にエドキサバン, アピキサバン, リバーロキサバン, ダビガトランの4種類の直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant: DOAC)の使用が可能となり, 利便性が高いために急速に普及して使用患者数が増加している. それに伴って出血性の有害事象や脳梗塞が報告されるようになってきた. 一方, 術前や緊急時にDOACの投与を受けている患者の出血を予防する必要が生じてきた.
ISSN:1349-8975