振動刺激が拮抗筋の運動ニューロン興奮性に与える影響
骨格筋を強制振動すると緊張性振動反射(TVR)により拮抗筋の筋活動が低下する. そこで健常者を対象として, TVR用の加振器を用いて5種類の周波数(40,60,80,100,120Hz)で振動した際と停止後の拮抗筋の運動ニューロンの興奮性(H反射)を経時的にとらえ, 振動周波数の変動による拮抗筋の筋緊張抑制の影響について検討した. 結果:(1)H反射振幅の抑制は振動周波数により振動開始5秒後で約55~69%, 30秒後で約80~90%と異なったが, その後2分まで最初の抑制と殆ど変化を認めなかった. (2)振動停止直後からH反射振幅は振動前の約50~80%まで回復し, 約1分で40Hzは約83...
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Published in | 理学療法学 Vol. 18; no. 1; pp. 41 - 44 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士協会
10.01.1991
日本理学療法士学会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.kj00003126610 |
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Summary: | 骨格筋を強制振動すると緊張性振動反射(TVR)により拮抗筋の筋活動が低下する. そこで健常者を対象として, TVR用の加振器を用いて5種類の周波数(40,60,80,100,120Hz)で振動した際と停止後の拮抗筋の運動ニューロンの興奮性(H反射)を経時的にとらえ, 振動周波数の変動による拮抗筋の筋緊張抑制の影響について検討した. 結果:(1)H反射振幅の抑制は振動周波数により振動開始5秒後で約55~69%, 30秒後で約80~90%と異なったが, その後2分まで最初の抑制と殆ど変化を認めなかった. (2)振動停止直後からH反射振幅は振動前の約50~80%まで回復し, 約1分で40Hzは約83%まで回復し, 他の周波数では振動前に戻った. 以上のことから, 振動刺激を拮抗筋の筋緊張の抑制として利用する際には, 40Hz近傍の周波数が有効であることが認められた. |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.kj00003126610 |