特定保健用食品としてのリン脂質結合大豆ペプチド

平成17年9月3日, 日本脂質栄養学会第14回大会において, 「特定保健用食品としての脂質」というタイトルでワークショップが実施された. 本総説はその時の内容を要約したものである. 我々は, 酵素分解リン脂質及び大豆ペプチド各々の作用に着目し, これらを結合させる事により, 顕著なコレステロール低下作用を有する新しい食品素材「リン脂質結合大豆ペプチド(CSPHP)」を開発した. 更にこのCSPHPを配合した粉末清涼飲料として特定保健用食品の表示許可を取得している. 今回のワークショップにおいてはその開発過程を通して得られた知見について紹介する. 血清コレステロール値と冠動脈硬化性疾患の発症頻度...

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Published in脂質栄養学 Vol. 15; no. 1; pp. 63 - 68
Main Authors 堀悟郎, 山本茂, 長岡利
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脂質栄養学会 2006
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ISSN1343-4594

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Summary:平成17年9月3日, 日本脂質栄養学会第14回大会において, 「特定保健用食品としての脂質」というタイトルでワークショップが実施された. 本総説はその時の内容を要約したものである. 我々は, 酵素分解リン脂質及び大豆ペプチド各々の作用に着目し, これらを結合させる事により, 顕著なコレステロール低下作用を有する新しい食品素材「リン脂質結合大豆ペプチド(CSPHP)」を開発した. 更にこのCSPHPを配合した粉末清涼飲料として特定保健用食品の表示許可を取得している. 今回のワークショップにおいてはその開発過程を通して得られた知見について紹介する. 血清コレステロール値と冠動脈硬化性疾患の発症頻度との間には強い正の相関が認められている1)2). このため医薬品をはじめ, 食品素材等によって血清コレステロール値を低下させる試みが広く行われてきた. 特にタンパク質については, 一般的に動物性タンパク質を摂取した場合と比較して, 植物性のタンパク質を摂取した場合に血清コレステロールが低値を示すと考えられており, Carrollらがウサギを用いて行った実験によっても示唆されている.
ISSN:1343-4594