食後高血糖と食後高脂血症を同時に観察するテストミールAについて
「I.はじめに」最近では空腹時の血糖値よりも食後の高血糖が動脈硬化進展に大きく寄与することが認められている. すでに国内では日本人を対象にした経口糖負荷試験後の予後調査である舟形町研究(Funagata Study)1)が行われ, Impaired Glucose Tolerance(IGT), あるいは糖負荷後の血糖上昇が冠動脈疾患のリスクであることが報告されている(図1). さらに一過性の高血糖は血管内皮機能障害を引き起こし, 酸化ストレスを増し, 接着分子を発現させ, また血管内皮機能障害はNO(nitric oxide)の産生の抑制をもたらすことも報告されている. これら一連の事象が動...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 65; no. 3; pp. 105 - 112 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本栄養改善学会
01.06.2007
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ISSN | 0021-5147 |
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Summary: | 「I.はじめに」最近では空腹時の血糖値よりも食後の高血糖が動脈硬化進展に大きく寄与することが認められている. すでに国内では日本人を対象にした経口糖負荷試験後の予後調査である舟形町研究(Funagata Study)1)が行われ, Impaired Glucose Tolerance(IGT), あるいは糖負荷後の血糖上昇が冠動脈疾患のリスクであることが報告されている(図1). さらに一過性の高血糖は血管内皮機能障害を引き起こし, 酸化ストレスを増し, 接着分子を発現させ, また血管内皮機能障害はNO(nitric oxide)の産生の抑制をもたらすことも報告されている. これら一連の事象が動脈硬化進展に寄与することとなる. 一方, 最近では食後高脂血症も動脈硬化進展に大きく寄与することが認められている. 特に食後に増加するレムナント粒子の動脈硬化惹起性が認められており, 食後高脂血症の存在は, RLP(レムナント様リポ蛋白)分画の停滞, あるいは長時間の高トリグリセリド血症によるsmall, dense LDLの出現, さらにHDLの低下などを引き起こす. |
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ISSN: | 0021-5147 |