酢酸フレカイニドの血中モニタリングが有用であった老齢者心室性期外収縮の1例

67歳女性. 胸部不快感を主訴に受診. 検査の結果, 心室性期外収縮 (以下VPC) 14,700拍/日 (single, monofocal), 上室性期外収縮 (以下SVPC) 298拍/日を認めたため, クラスIa, Ib, IV群抗不整脈剤を投与したが, いずれも効果が認められず, Ic群の酢酸フレカイニドを投与した. 服用1週後より副作用が疑われたので, 血中濃度のモニタリングをしたところ, 568ng/mlと過量投与が示唆されたため減量を図り, 副作用の軽減ならびに抗不整脈作用の有効性を保つことができた. 抗不整脈薬の適正な投与設計にとって, 血中濃度のモニタリングが有用な手段にな...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 54 - 59
Main Authors 千葉, 一夫, 永島, 淳一, 上田, 慶二, 賀來, 俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.01.1997
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.34.54

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Summary:67歳女性. 胸部不快感を主訴に受診. 検査の結果, 心室性期外収縮 (以下VPC) 14,700拍/日 (single, monofocal), 上室性期外収縮 (以下SVPC) 298拍/日を認めたため, クラスIa, Ib, IV群抗不整脈剤を投与したが, いずれも効果が認められず, Ic群の酢酸フレカイニドを投与した. 服用1週後より副作用が疑われたので, 血中濃度のモニタリングをしたところ, 568ng/mlと過量投与が示唆されたため減量を図り, 副作用の軽減ならびに抗不整脈作用の有効性を保つことができた. 抗不整脈薬の適正な投与設計にとって, 血中濃度のモニタリングが有用な手段になり得ると考えられた.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.34.54