顎関節症患者の症型とCMIとの関連性

当科を受診し顎関節症と診断された患者で初診時にCMIテストを施行した121例に対して, CMIの結果と顎関節症症型分類とを比較検討した。 顎関節症症型別のCMIの結果では深町の判定法によるIII・IV領域の割合は, 顎関節症I型が32例中12例 (37.5%) と最も高く, 他の顎関節症症型 (IIからIV型) よりも危険率5%で有意に高かった。次いでIV型6例中2例 (33.3%), 以下II型 (24.0%), III型 (15.5%) の順であった。 CMIプロフィールにおいても顎関節症I型次いでIV型がその他の症型よりも多くの項目で高かった。 回答数による評価においても顎関節症I型とI...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 32 - 44
Main Authors 塚原, 宏泰, 依田, 哲也, 榎本, 昭二, 坂本, 一郎, 森田, 伸, 宮村, 壽一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 20.05.1995
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu1989.7.32

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Summary:当科を受診し顎関節症と診断された患者で初診時にCMIテストを施行した121例に対して, CMIの結果と顎関節症症型分類とを比較検討した。 顎関節症症型別のCMIの結果では深町の判定法によるIII・IV領域の割合は, 顎関節症I型が32例中12例 (37.5%) と最も高く, 他の顎関節症症型 (IIからIV型) よりも危険率5%で有意に高かった。次いでIV型6例中2例 (33.3%), 以下II型 (24.0%), III型 (15.5%) の順であった。 CMIプロフィールにおいても顎関節症I型次いでIV型がその他の症型よりも多くの項目で高かった。 回答数による評価においても顎関節症I型とIV型にその値の大きい傾向がみられた。 以上の結果より, 顎関節症I型とIV型には心理的要因の関与が高いと考えられ, 治療に際しては特に心身医学的アプローチが必要な症例も多いと考えられた。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu1989.7.32