フロアブルレジンに関する研究 特に無機フィラー含有量, 重合収縮率および粘弾性特性について

フロアブルレジンは, ペーストの流動性を特徴づけることを意図して開発された修復材である.そのため, 小窩裂溝部への充填や歯頸部付近に生じたう蝕あるいは楔状欠損など, 操作性が重要とされる部位へ頻用されている.本修復材に流動性を付与するためには, 無機フィラー含有量を少なくする, あるいは希釈モノマー添加量を増加させるなどの方法がとられるが, これによって機械的性質の低下および重合収縮量が大きくなることが懸念される.そこで著者らは, フロアブルレジンの無機フィラー含有量, 体積重合収縮率あるいは粘弾性特性について検討した.その結果, 無機フィラー含有量は42.5-78.6wt%, 重合収縮率は2...

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Published in接着歯学 Vol. 25; no. 3; pp. 162 - 169
Main Authors 辻本, 暁正, 色川, 敦士, 大藤, 竜樹, 高見澤, 俊樹, 川本, 諒, 宮崎, 真至, 宇山, 聡, 土屋, 博昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本接着歯学会 15.12.2007
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ISSN0913-1655
2185-9566
DOI10.11297/adhesdent1983.25.162

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Summary:フロアブルレジンは, ペーストの流動性を特徴づけることを意図して開発された修復材である.そのため, 小窩裂溝部への充填や歯頸部付近に生じたう蝕あるいは楔状欠損など, 操作性が重要とされる部位へ頻用されている.本修復材に流動性を付与するためには, 無機フィラー含有量を少なくする, あるいは希釈モノマー添加量を増加させるなどの方法がとられるが, これによって機械的性質の低下および重合収縮量が大きくなることが懸念される.そこで著者らは, フロアブルレジンの無機フィラー含有量, 体積重合収縮率あるいは粘弾性特性について検討した.その結果, 無機フィラー含有量は42.5-78.6wt%, 重合収縮率は2.16-4.04vol%と製品によって大きく異なるものであった.また, 無機フィラー含有量と体積重合収縮率との間には, 強い相関が認められた.粘性率は, 21-144Pa・sであり, 複素粘性率は20-54Pa・sであった.重合収縮とは異なり, 無機フィラー含有量と粘性率および複素粘性率との間には, 相関は認められなかった.また, レジン硬化物のSEM観察像からは, フィラー形状から3つの群に分類することが可能であった.
ISSN:0913-1655
2185-9566
DOI:10.11297/adhesdent1983.25.162