異なる地域のウシ抜去歯が2ステップ接着システムの歯質接着性におよぼす影響について

本邦では, ウシ海綿状脳症 (BSE) 問題に関連した事項として, ウシの頭部特定部位に含まれるウシ抜去歯の使用が制限されている.ウシ抜去歯は, 歯質接着試験においてヒトの歯の代替として用いられてきた.しかし, その入手がBSE問題によって困難になってきたところから, 異なる採取地から入手した被験歯を混合して使用せざるを得ないという事態が生じる可能性がある.しかし, 異なる採取地のウシ抜去歯を用いて, これが歯質接着システムの接着性におよぼす影響についての検討はこれまでなされていない.そこで東京, 京都, 大阪およびカリフォルニア州の4地域を採取地とするウシ抜去歯を用い, 光重合型レジン修復シ...

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Published in接着歯学 Vol. 22; no. 3; pp. 157 - 168
Main Authors 佐藤, 光, 藤本, 善裕, 佐藤, 智美, 吉田, 武史, 檜垣, 潤, 小野瀬, 英雄, 山口, 佳奈子, 宮崎, 真至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本接着歯学会 15.12.2004
Subjects
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ISSN0913-1655
2185-9566
DOI10.11297/adhesdent1983.22.157

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Summary:本邦では, ウシ海綿状脳症 (BSE) 問題に関連した事項として, ウシの頭部特定部位に含まれるウシ抜去歯の使用が制限されている.ウシ抜去歯は, 歯質接着試験においてヒトの歯の代替として用いられてきた.しかし, その入手がBSE問題によって困難になってきたところから, 異なる採取地から入手した被験歯を混合して使用せざるを得ないという事態が生じる可能性がある.しかし, 異なる採取地のウシ抜去歯を用いて, これが歯質接着システムの接着性におよぼす影響についての検討はこれまでなされていない.そこで東京, 京都, 大阪およびカリフォルニア州の4地域を採取地とするウシ抜去歯を用い, 光重合型レジン修復システムを用いた勇断接着試験および走査電子顕微鏡観察をあわせて行うことによって, 異なる採取地のウシ抜去歯における歯質接着性について検討を行った.その結果, 供試したいずれの接着システムにおいても, ウシ抜去歯の採取地による, 接着強さへの影響は認められなかった.しかし, 接着試験後の破壊形式およびSEM観察では, 採取地による差異が認められたことから, ヒト抜去歯の代替であるウシ抜去歯の使用にはさらなる検討が必要であることが示唆された.
ISSN:0913-1655
2185-9566
DOI:10.11297/adhesdent1983.22.157