血清総脂肪酸,特にネルボン酸とレプチン,BMI,中性脂肪,総コレステロール,HDLコレステロール,および血圧との相関について

1 はじめに 肥満, 高血圧, 糖尿病, 高脂血症などメタボリック症候群は, 現代文明国でますます増加しており, 心血管疾患と深く関っている1). エネルギーの過剰摂取と運動不足がその主因であるが, それ以外の環境因子については, ほとんど解明されていない. 動物実験では, 飽和脂肪(SF)の過剰摂取2), NaClの過剰摂取3), n3多価不飽和脂肪酸(n-3PUFA)の相対的な不足4)などが示されており, ヒトでも飽和脂肪酸の過剰と不飽和脂肪酸, 特にn-3PUFAの不足が指摘されているが, それ以外の詳細な検討は少ない. このたび我々は心筋梗塞の危険因子としてのn-3PUFAにっいて,...

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Published in脂質栄養学 Vol. 14; no. 1; pp. 100 - 108
Main Authors 小田栄司, 畑田勝治, 加藤公則, 小玉誠, 相澤義房
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脂質栄養学会 2005
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ISSN1343-4594

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Summary:1 はじめに 肥満, 高血圧, 糖尿病, 高脂血症などメタボリック症候群は, 現代文明国でますます増加しており, 心血管疾患と深く関っている1). エネルギーの過剰摂取と運動不足がその主因であるが, それ以外の環境因子については, ほとんど解明されていない. 動物実験では, 飽和脂肪(SF)の過剰摂取2), NaClの過剰摂取3), n3多価不飽和脂肪酸(n-3PUFA)の相対的な不足4)などが示されており, ヒトでも飽和脂肪酸の過剰と不飽和脂肪酸, 特にn-3PUFAの不足が指摘されているが, それ以外の詳細な検討は少ない. このたび我々は心筋梗塞の危険因子としてのn-3PUFAにっいて, case-control studyを施行したが(投稿中), そのコントロール群で, 血清総脂肪酸分画とレプチン, BMI, TG, TC, HDLc, および血圧との関係を解析し, 興味ある結果を得たので報告する. 2. 対象と方法 文末に示した多施設で心筋梗塞のコントロール群として, 年齢, 性別をマッチさせた心血管疾患と糖尿病を有しない男性61例(41-80歳), 女性23例(52-79歳)を対象とした.
ISSN:1343-4594