Protease-Activated Receptors(PARs)をターゲットとしたアゴニスト/アンタゴニストの開発と消化器系疾患に対する治療応用の可能性

Protease-activated receptors(PARs)はGタンパク共役7回膜貫通型受容体のスーパーファミリーに属しており, これまでにPAR-1からPAR-4の4つがクローニングされている. 1-5)PARsはトロンビンやトリプシンなど特定のセリンプロテアーゼによって酵素的に活性化されるほか, PAR-1, PAR-2及びPAR-4はそれぞれのtethered ligandの配列に基づいた5-6個のアミノ酸からなるペプチドによっても活性化される(Fig. 1 and Table 1). 6-10)PARsは生体内, 特に消化器系に広く分布しており, 種々の生理学的, 病態生理学的...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 125; no. 6; pp. 491 - 498
Main Author 関口富美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬学会 2005
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ISSN0031-6903

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Summary:Protease-activated receptors(PARs)はGタンパク共役7回膜貫通型受容体のスーパーファミリーに属しており, これまでにPAR-1からPAR-4の4つがクローニングされている. 1-5)PARsはトロンビンやトリプシンなど特定のセリンプロテアーゼによって酵素的に活性化されるほか, PAR-1, PAR-2及びPAR-4はそれぞれのtethered ligandの配列に基づいた5-6個のアミノ酸からなるペプチドによっても活性化される(Fig. 1 and Table 1). 6-10)PARsは生体内, 特に消化器系に広く分布しており, 種々の生理学的, 病態生理学的役割を担っていることから, 6, 7, 9, 11)新しい治療ターゲット分子になり得ると考えられ, PARsに対する選択的なアゴニストやアンタゴニストの開発は, 臨床応用への可能性を秘めている. 本総説では, これまでに報告されているPARsのアゴニスト及びアンタゴニストを紹介したのち, 消化器系におけるPARsの生理学的, 病態生理学的役割, さらにPARsのアゴニストやアンタゴニストにより治療可能と考えられる疾病, 病態についても述べる.
ISSN:0031-6903