二分脊椎症児における大腿四頭筋筋力の分析と歩行能力の推定
二分脊椎症児61名を対象に大腿四頭筋筋力を評価し, さらに, 筋力, 麻痺レベル, 幼児期の運動発達などの要因から歩行能力の推定を試みた. 筋力は膝関節等尺性伸展における随意最大筋力をもって評価し, 下腿遠位端に装着した歪ゲージによって測定した. 最大筋力は被検者間の下腿長や体重の差から独立した指標(Z-score)に変換し, これを手掛りに歩行能力と筋力との関係を分析した. なお, Z-scoreは健常児の筋力発達からの隔たりを示す値である. Z-scoreの横断的, 縦断的分析から, 患児の筋力発達は8歳, つまり, 体重25 kgをこす頃から低下することが指摘された. Z-scoreは麻...
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| Published in | リハビリテーション医学 Vol. 30; no. 1; pp. 54 - 62 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本リハビリテーション医学会
1993
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0034-351X |
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| Summary: | 二分脊椎症児61名を対象に大腿四頭筋筋力を評価し, さらに, 筋力, 麻痺レベル, 幼児期の運動発達などの要因から歩行能力の推定を試みた. 筋力は膝関節等尺性伸展における随意最大筋力をもって評価し, 下腿遠位端に装着した歪ゲージによって測定した. 最大筋力は被検者間の下腿長や体重の差から独立した指標(Z-score)に変換し, これを手掛りに歩行能力と筋力との関係を分析した. なお, Z-scoreは健常児の筋力発達からの隔たりを示す値である. Z-scoreの横断的, 縦断的分析から, 患児の筋力発達は8歳, つまり, 体重25 kgをこす頃から低下することが指摘された. Z-scoreは麻痺レべル, 始歩年齢, 知能指数とも密接に関連し, これら4つの変量は歩行能力を総合的に評価したり, 予測するための有用な因子となることが判別分析法によって証明された. |
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| ISSN: | 0034-351X |