ヒューマン・カロリーメータ

肥満は生活習慣病の1つであるだけでなく, 糖尿病などその他の生活習慣病の危険因子となることから, 肥満の予防や治療は生活習慣病の予防や治療においても重要である1). 最近, 肥満のメカニズムなどについての新知見が蓄積されつつある2)が, 肥満の原因の多くは基本的にエネルギー摂取と消費のアンバランス, つまり, 日常生活における身体活動の減少などによる相対的なエネルギー摂取過剰によるものと考えられている3, 4). このことから, 肥満の予防や治療においては, エネルギー摂取と消費のバランスを保つことが重要となる. 栄養所要量においては, 健康の保持, 増進の視点から, 性, 年齢, 生活活動強...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 58; no. 5; pp. 185 - 194
Main Authors 吉武裕, 島田美恵子, 海老根直之, 齊藤愼一, 田中宏暁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.10.2000
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ISSN0021-5147

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Summary:肥満は生活習慣病の1つであるだけでなく, 糖尿病などその他の生活習慣病の危険因子となることから, 肥満の予防や治療は生活習慣病の予防や治療においても重要である1). 最近, 肥満のメカニズムなどについての新知見が蓄積されつつある2)が, 肥満の原因の多くは基本的にエネルギー摂取と消費のアンバランス, つまり, 日常生活における身体活動の減少などによる相対的なエネルギー摂取過剰によるものと考えられている3, 4). このことから, 肥満の予防や治療においては, エネルギー摂取と消費のバランスを保つことが重要となる. 栄養所要量においては, 健康の保持, 増進の視点から, 性, 年齢, 生活活動強度等を考慮したエネルギー所要量が示されている5). しかし, 現在においても, 我々が健康を保持, 増進していくために重要な「どれだけの食物が必要なのか, また, ヒトのエネルギー摂取と消費のバランスは如何にあるべきか」については十分に明らかにされていない6).
ISSN:0021-5147