疾患の病態と治療 外リンパ瘻
外リンパ瘻では外リンパが漏出するが, これは髄液漏であると考えてよい. 外リンパ瘻とは前庭窓, 蝸牛窓, その周辺から外リンパが漏れる状態である. 外リンパ腔と髄液腔は内耳道, 蝸牛小管で連絡しており, 外リンパは蝸牛由来と髄液由来のものが合わさってできると考えられる. "水もれ"が持続的にみられる場合は主として髄液であろう. 髄液圧が高まって"水もれ"の生ずるexplosive routeと中耳圧が高まって生ずるimplosive routeが考えられている. 外リンパ瘻は膜迷路の疾患である. 外リンパ瘻のヒト病理報告は極めて少なく, 病態を知るために...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 7; pp. 1182 - 1185 | 
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
    
        20.07.1993
     日本耳鼻咽喉科学会  | 
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0030-6622 1883-0854  | 
| DOI | 10.3950/jibiinkoka.96.1182 | 
Cover
| Summary: | 外リンパ瘻では外リンパが漏出するが, これは髄液漏であると考えてよい. 外リンパ瘻とは前庭窓, 蝸牛窓, その周辺から外リンパが漏れる状態である. 外リンパ腔と髄液腔は内耳道, 蝸牛小管で連絡しており, 外リンパは蝸牛由来と髄液由来のものが合わさってできると考えられる. "水もれ"が持続的にみられる場合は主として髄液であろう. 髄液圧が高まって"水もれ"の生ずるexplosive routeと中耳圧が高まって生ずるimplosive routeが考えられている. 外リンパ瘻は膜迷路の疾患である. 外リンパ瘻のヒト病理報告は極めて少なく, 病態を知るためにはある程度動物実験に頼らざるをえない. "水もれ"は前庭窓, 蝸牛窓などの破綻により生ずるが, 破綻をおこす機序が同時に膜迷路にもはたらき, 膨隆, 虚脱, 破綻などの変化をおこす. double-membrane break theory (Simmons)もおそらく外リンパ瘻の病態の1つであろう. | 
|---|---|
| ISSN: | 0030-6622 1883-0854  | 
| DOI: | 10.3950/jibiinkoka.96.1182 |