高出力照射器の照射時間が光重合型レジンの初期体積変化に及ぼす影響について

本研究では高出力照射器を用いた照射時間の変更が, 光重合型レジンの重合収縮に及ぼす影響について検討した.高出力照射器としては, Credi 8000 (3M) を, 対照として従来型ハロゲンランプ照射器であるCandelux (モリタ) を使用した.レジンペーストを内径4mm, 高さ2mmのテフロン型に填塞し, これをディラトメータ内に挿入した.ついで, 光線照射に伴って生じる水位の変化を記録した.また, 重合硬化に伴って生じる重合反応熱について, ISO4049に準じて測定した.その結果, 高出力照射器を用いて短時間照射をした場合, ハロゲンランプ照射器を用いた場合と比較して重合収縮率は有意...

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Published in接着歯学 Vol. 20; no. 1; pp. 10 - 19
Main Authors 藤井, 清一, 安藤, 進, 大岡, 悟史, 佐藤, 光, 宮崎, 真至, 佐藤, 智美, 小野瀬, 英雄, 岩内, 伸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本接着歯学会 15.04.2002
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ISSN0913-1655
2185-9566
DOI10.11297/adhesdent1983.20.10

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Summary:本研究では高出力照射器を用いた照射時間の変更が, 光重合型レジンの重合収縮に及ぼす影響について検討した.高出力照射器としては, Credi 8000 (3M) を, 対照として従来型ハロゲンランプ照射器であるCandelux (モリタ) を使用した.レジンペーストを内径4mm, 高さ2mmのテフロン型に填塞し, これをディラトメータ内に挿入した.ついで, 光線照射に伴って生じる水位の変化を記録した.また, 重合硬化に伴って生じる重合反応熱について, ISO4049に準じて測定した.その結果, 高出力照射器を用いて短時間照射をした場合, ハロゲンランプ照射器を用いた場合と比較して重合収縮率は有意に低下した.しかし, 重合反応熱は, 高出力短時間照射では低く, 照射時間を延長することによって増加する傾向を示したことから, 重合収縮率の減少傾向は重合反応の進行が十分ではなかったことによる可能性が示唆された.
ISSN:0913-1655
2185-9566
DOI:10.11297/adhesdent1983.20.10