呼吸器感染症におけるpazufloxacinの使用経験ならびに薬物動力学的検討

新規経口用ニューキノロン系合成抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について呼吸器感染症8例に対し臨床的検討を行い, また基礎的には49歳の患者および高齢者10例における本剤の血清中濃度推移の検討を併せて行った。 1. 臨床的検討呼吸器感染症8例 (肺炎5例, 慢性気道感染症3例) に本剤を1日600mg (分3) で投与し, 投与期間は7~15日間, 総投与量は4.29~8.69であった。重症度別では, 軽症7例, 中等症1例であった。 臨床効果は著効3例, 有効4例, やや有効1例であり, 細菌学的効果は1例にPseudomonasaerugiosa, Serratia marce...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 43; no. Supplement2; pp. 283 - 287
Main Authors 北原, 義也, 原田, 泰子, 高本, 正祇, 原田, 進, 石橋, 凡雄, 加治木, 章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.09.1995
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.43.Supplement2_283

Cover

More Information
Summary:新規経口用ニューキノロン系合成抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について呼吸器感染症8例に対し臨床的検討を行い, また基礎的には49歳の患者および高齢者10例における本剤の血清中濃度推移の検討を併せて行った。 1. 臨床的検討呼吸器感染症8例 (肺炎5例, 慢性気道感染症3例) に本剤を1日600mg (分3) で投与し, 投与期間は7~15日間, 総投与量は4.29~8.69であった。重症度別では, 軽症7例, 中等症1例であった。 臨床効果は著効3例, 有効4例, やや有効1例であり, 細菌学的効果は1例にPseudomonasaerugiosa, Serratia marcescensが検出されたが, 本剤投与後消失した。全例に副作用および臨床検査値の異常変動は認められなかった。 2. 高齢者における血清中濃度の推移慢性呼吸器感染症11例 (肺結核症5例, 気管支喘息2例, 慢性気管支炎, 気管支拡張症, 肺気腫, 非定型抗酸菌症各1例) の49歳の患者および高齢者 (平均年齢75.1歳) に対し, 本剤200mg単回投与時の血清中濃度をHPLC法に準じて経時的に測定し, 薬物動力学的に検討した。49歳の患者の血清中濃度は投与1時間後は2.00μg/ml, 2時間後は2.59μg/ml, 4時間後は1.19μg/ml, 6時間後は0.46μg/mlで, 高齢者10例全体の平均血清中濃度は, 投与1時間後は0.966±0.657μg/ml, 2時間後は2.263±1.064μg/ml, 4時間後は2.782±1.041μg/ml, 6時間後は1.489±0.534μg/mlでTmaxは3.2時間後に見られた。Cmaxは3.122±1.002μg/ml, T1/2は2.740±0.841hr, AUC0~∞は16.75±4.32μg・hr/mlであった。なお, 軽度の腎機能障害を示す患者の2例にAUCの増加, およびT1/2の延長・AUCの増加が認められた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.43.Supplement2_283