Balofloxacinのinvitro抗菌力, 喀痰内移行ならびに呼吸器感染症における臨床評価
新しいキノロン薬balofloxacin (BLFX) について臨床分離菌に対する抗菌力の測定および呼吸器感染症に対する臨床効果を検討した。 1. 抗菌力: 12菌種, 516株について日本化学療法学会の方法により最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 同時に測定したonoxacin (OFLX), lomefloxacin (LFLX) およびtosunoxacin (TFLX) と比較検討した。 その結果, BLFXは全般的にグラム陽性菌に対してはTFLXとほぼ同等, OFLX, LFLXに比して2~5管すぐれていた。一方, グラム陰性菌に対しては対照薬に比してやや劣るものの, 臨床効果...
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Published in | 日本化学療法学会雑誌 Vol. 43; no. Supplement5; pp. 275 - 280 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
27.11.1995
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Subjects | |
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ISSN | 1340-7007 1884-5886 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1995.43.Supplement5_275 |
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Summary: | 新しいキノロン薬balofloxacin (BLFX) について臨床分離菌に対する抗菌力の測定および呼吸器感染症に対する臨床効果を検討した。 1. 抗菌力: 12菌種, 516株について日本化学療法学会の方法により最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 同時に測定したonoxacin (OFLX), lomefloxacin (LFLX) およびtosunoxacin (TFLX) と比較検討した。 その結果, BLFXは全般的にグラム陽性菌に対してはTFLXとほぼ同等, OFLX, LFLXに比して2~5管すぐれていた。一方, グラム陰性菌に対しては対照薬に比してやや劣るものの, 臨床効果を十分期待できる成績であった。 2. 血中ならびに喀痰中への移行濃度: 本剤100mgを経口投与した時の血中濃度は2時間後に1.22μg/mlのピーク値を示した。また喀痰中濃度は投与後3~4時間でピーク値0.84μg/mlが得られた。最高血中濃度に対する最高喀痰中濃度比は0.69であった。 3. 臨床成績: 効果判定のできた13例 (急性気管支炎1例, 慢性気管支炎の急性増悪8例, 気管支拡張症の感染3例, 慢性呼吸器疾患の二次感染1例) の臨床効果は著効1例, 有効9例, やや有効2例, 無効1例, 有効率76.9%(10/13) であった。細菌学的効果は2/3 (Psendomonas aeruginosa1/2, Haemophilus influenzae1/1) であった。本剤を投与した15症例で頭痛および嘔気-嘔吐が各1例認められたがいずれも軽度であった。本剤投与によると思われる臨床検査値異常は1例も認められなかった。 |
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ISSN: | 1340-7007 1884-5886 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.43.Supplement5_275 |