慢性副鼻腔炎に対するクラリスロマイシン少量長期投与療法

慢性副鼻腔炎患者20例に対してクラリスロマイシンを1日朝1回200mg内服投与した。投与開始後1ヵ月目ですでに後鼻漏および嗅覚障害が60%以上改善した。投与開始後3ヵ月目では, すべての評価項目で改善がみられたが, 自覚症状の鼻閉および他覚所見の鼻汁の性状の改善が著しかった。腹痛を訴えた1例が本剤による副作用と思われたが, 投与中止により症状はすみやかに消失した。本剤に対して感受性のない検出菌を認めた症例でも治療効果がみられ, 本治療の効果は単なる抗菌作用ではないことが推察された。...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 36; no. 5; pp. 657 - 662
Main Authors 吉田, ひかり, 李, 雅次, 吉田, 知之, 舩坂, 宗太郎, 渡部, 一雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.10.1993
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.36.657

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Summary:慢性副鼻腔炎患者20例に対してクラリスロマイシンを1日朝1回200mg内服投与した。投与開始後1ヵ月目ですでに後鼻漏および嗅覚障害が60%以上改善した。投与開始後3ヵ月目では, すべての評価項目で改善がみられたが, 自覚症状の鼻閉および他覚所見の鼻汁の性状の改善が著しかった。腹痛を訴えた1例が本剤による副作用と思われたが, 投与中止により症状はすみやかに消失した。本剤に対して感受性のない検出菌を認めた症例でも治療効果がみられ, 本治療の効果は単なる抗菌作用ではないことが推察された。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.36.657