Brugada症候群の心室細動ストームにベプリジルが有効であった1例
症例は, 31歳, 男性. 2002年(23歳時)に失神が出現し, 心電図波形からBrugada症候群と診断された. 不整脈の家族歴はない. 電気生理学的検査で心室細動(VF)が誘発され同年, 植込み型除細動器(ICD)を植え込みした. 2005年にVFが出現しキニジン450mg内服開始した. 同年に再度VFが出現し, シロスタゾールを100 mg追加した. その後5年間VFの出現はなかったが, 2010年6月深夜VFのストームが出現した(独立した適切作動が5回). 入院し, シロスタゾールを200 mgへ増量し, いったん安定したように思えたが, 7月深夜に再びVFが2回出現した. キニジン...
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Published in | 心臓 Vol. 43; no. SUPPL.3; pp. S3_95 - S3_101 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2011
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.43.S3_95 |
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Summary: | 症例は, 31歳, 男性. 2002年(23歳時)に失神が出現し, 心電図波形からBrugada症候群と診断された. 不整脈の家族歴はない. 電気生理学的検査で心室細動(VF)が誘発され同年, 植込み型除細動器(ICD)を植え込みした. 2005年にVFが出現しキニジン450mg内服開始した. 同年に再度VFが出現し, シロスタゾールを100 mg追加した. その後5年間VFの出現はなかったが, 2010年6月深夜VFのストームが出現した(独立した適切作動が5回). 入院し, シロスタゾールを200 mgへ増量し, いったん安定したように思えたが, 7月深夜に再びVFが2回出現した. キニジンを中止し, ベプリジル200mgへ変更したところVFの出現を予防できた. ベプリジル内服後は内服前に比べて, 心電図V2のSTレベルが低下し, ホルター心電図によるQT-RRのslopeが改善, 深夜のT wave variability(TWV)が減少する所見を認めた. 加算平均心電図および深夜のlate potential(LP)は変化なかった. 今回, 夜間にVFのストームをきたしたBrugada症候群がベプリジルとシロスタゾールの併用で予防でき, さらに, ホルター心電図によるTWVの値が薬剤変更後に低下している所見を認め, 薬効評価に対してTWVが有効である可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.43.S3_95 |