表示メディアとその操作手法が「誤りを探す読み」に与える影響 文書とのタッチインタラクションに着目して

本研究では、紙および電子メディアの読みにおける「タッチ」を伴うインタラクションの影響について、読書材から誤り部分を探す読みを課題とした実験を元に考察した。実験では、紙・タブレット端末・PC ディスプレイの表示媒体 3 条件と、接触不可・接触可・書き込み可のインタラクション条件 3 条件の組合せ 9 条件を設定した。文章のみ・図表とその説明文・絵の間違い探し 3 種類の「誤りを探す読み」課題による作業効率の測定と主観評価を実施した。実験協力者は 12 名(平均 23.2 歳)であった。その結果、回答の正確性を示す再現率は、紙とタブレット端末では接触不可条件と比較して接触可・書き込み可条件のほうが...

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Published in情報メディア研究 Vol. 20; no. 1; pp. 55 - 70
Main Author 松山, 麻珠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 情報メディア学会 13.08.2021
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ISSN1348-5857
1349-3302
DOI10.11304/jims.20.55

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Summary:本研究では、紙および電子メディアの読みにおける「タッチ」を伴うインタラクションの影響について、読書材から誤り部分を探す読みを課題とした実験を元に考察した。実験では、紙・タブレット端末・PC ディスプレイの表示媒体 3 条件と、接触不可・接触可・書き込み可のインタラクション条件 3 条件の組合せ 9 条件を設定した。文章のみ・図表とその説明文・絵の間違い探し 3 種類の「誤りを探す読み」課題による作業効率の測定と主観評価を実施した。実験協力者は 12 名(平均 23.2 歳)であった。その結果、回答の正確性を示す再現率は、紙とタブレット端末では接触不可条件と比較して接触可・書き込み可条件のほうが高くなり、PC では接触可・書き込み可条件と比較して接触不可条件のほうが高くなった。また、回答の網羅性を示す適合率は、紙やタブレット端末と比較して PC のほうが低くなった。この実験結果から、手指による直接的なインタラクションを行う紙やタブレット端末は、マウスを使った間接的なインタラクションを行う PC より効率的な読みが可能であったことが示された。
ISSN:1348-5857
1349-3302
DOI:10.11304/jims.20.55