臨床症状安定時期のじん肺患者における甲状腺機能の検討
臨床症状の安定したじん肺患者245名 (男性213名, 女性32名, 平均年齢67.0±8.3歳) に甲状腺ホルモン (T3, T4, TSH, free T3, free T4) を測定し, 肺機能 (% VC, FEV1.0, FEV1.0%, V25/HT), 血液ガス (PaO2, PaCO2, A-aDO2), 胸部X線所見との関係を検討した. その結果, (1) 生物学的活性の最も強い free T3 と% VC (r=0.15, p<0.05), FEV1.0 (r=0.17, p<0.05) の間に相関がみられた. (2) free T3とFEV1.0%, V25/...
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          | Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 31; no. 10; pp. 1215 - 1219 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | English Japanese  | 
| Published | 
            社団法人 日本呼吸器学会
    
        25.10.1993
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0301-1542 1883-471X  | 
| DOI | 10.11389/jjrs1963.31.1215 | 
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| Summary: | 臨床症状の安定したじん肺患者245名 (男性213名, 女性32名, 平均年齢67.0±8.3歳) に甲状腺ホルモン (T3, T4, TSH, free T3, free T4) を測定し, 肺機能 (% VC, FEV1.0, FEV1.0%, V25/HT), 血液ガス (PaO2, PaCO2, A-aDO2), 胸部X線所見との関係を検討した. その結果, (1) 生物学的活性の最も強い free T3 と% VC (r=0.15, p<0.05), FEV1.0 (r=0.17, p<0.05) の間に相関がみられた. (2) free T3とFEV1.0%, V25/HTとの間には相関はなかった. (3) free T3とPaO2, PaCO2, A-aDO2との間に相関はなかった. (4) free T3と胸部X線所見の間に明らかな関係はなかった. (5) 他の甲状腺ホルモンと肺機能, 血液ガス, 胸部X線所見との検討で, T3は free T3と同様な傾向をみたが, T4, free T4には明らかな関係はなかった. % VC, FEV1.0はじん肺症の重症度を反映しているため, free T3とじん肺症の臨床的重症度との関係が示唆された. | 
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| ISSN: | 0301-1542 1883-471X  | 
| DOI: | 10.11389/jjrs1963.31.1215 |