肺の primary cavitation を伴い多発性中枢神経浸潤を認めたサルコイドーシスの1例

肺の primary acute cavitation と中枢神経系に多発性結節を認めたサルコイドーシスの20歳男性例を経験した. 本症例は咳嗽, 頭痛を主訴とし, 胸部レントゲン写真上, 両側肺門と縦隔リンパ節腫大, 両側肺野に多発性空洞陰影, および, びまん性粒状影を認めた. 経気管支肺生検にて非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫が証明され, 感染や線維化の所見が認められないため primary acute cavitation in sarcoidosis と診断した. 頭痛の精査にて頭部CT施行するも所見なく, 頭部MRIにて多発性の結節を認めた. サルコイドーシスにおいては肺に原発性空洞を呈...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 35; no. 12; pp. 1400 - 1406
Main Authors 荒井, 邦彦, 中沢, 弘企, 中山, 智子, 橋本, 修, 堀江, 孝至
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.12.1997
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.35.1400

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Summary:肺の primary acute cavitation と中枢神経系に多発性結節を認めたサルコイドーシスの20歳男性例を経験した. 本症例は咳嗽, 頭痛を主訴とし, 胸部レントゲン写真上, 両側肺門と縦隔リンパ節腫大, 両側肺野に多発性空洞陰影, および, びまん性粒状影を認めた. 経気管支肺生検にて非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫が証明され, 感染や線維化の所見が認められないため primary acute cavitation in sarcoidosis と診断した. 頭痛の精査にて頭部CT施行するも所見なく, 頭部MRIにて多発性の結節を認めた. サルコイドーシスにおいては肺に原発性空洞を呈することは稀であり, また, 中枢神経系サルコイドーシスで多発性結節性病変を示すものも稀である. 本症例のように, 頭痛を認めた場合にはMRI検査を施行し, 病変の有無を確定する事が必要であると思われた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.35.1400