肺小細胞癌の完全寛解中に発症した急性骨髄性白血病の1例
肺小細胞癌の完全寛解中に発症した急性骨髄性白血病の1例を報告した. 症例は67歳男性, 主訴は咳痰, 喫煙歴は20本20年, 現病歴は, 1986年1月より咳痰が出現し, 5月入院した. 精査にて左肺門部原発のT4N1M0, STAGE IIIBの Limited disease の肺小細胞癌と診断し, 化学療法と放射線照射を施行した. 1987年7月より汎血球減少症を合併し, 骨髄所見から Refractory Anemia with Excess of Blast in Transformation と診断した. 1987年12月骨髄芽球が増加し, 急性骨髄性白血病と診断した. 小量 Ar...
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| Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 27; no. 12; pp. 1528 - 1533 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.12.1989
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0301-1542 1883-471X |
| DOI | 10.11389/jjrs1963.27.1528 |
Cover
| Summary: | 肺小細胞癌の完全寛解中に発症した急性骨髄性白血病の1例を報告した. 症例は67歳男性, 主訴は咳痰, 喫煙歴は20本20年, 現病歴は, 1986年1月より咳痰が出現し, 5月入院した. 精査にて左肺門部原発のT4N1M0, STAGE IIIBの Limited disease の肺小細胞癌と診断し, 化学療法と放射線照射を施行した. 1987年7月より汎血球減少症を合併し, 骨髄所見から Refractory Anemia with Excess of Blast in Transformation と診断した. 1987年12月骨髄芽球が増加し, 急性骨髄性白血病と診断した. 小量 Ara-C (Cytosine arabinoside) 療法を施行し, 一時的には改善が見られたが, 効果は短期間で, 肺炎と肺出血のため1988年6月死亡した. 病理所見では肺小細胞癌は完全に消失していた. 本症例の急性骨髄性白血病は肺小細胞癌の治療後2次性に発症したと推定されるが, このような経過は, 今後肺小細胞癌の治療法を選択する場合きわめて重要と考えられた. |
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| ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
| DOI: | 10.11389/jjrs1963.27.1528 |