鼻腔NK/T細胞性リンパ腫の組織学的および分子生物学的検討

1991年から2003年にかけて鼻腔NK/T細胞性およびT細胞性悪性リンパ腫と診断された症例の組織標本に対してモノクローナル抗体 (CD2, CD3, CD5, CD56) を用いた免疫組織化学的染色による表現型の確認とEBV潜伏感染遺伝子 (EBNA1, EBNA2, ZEBRA) の検索, in situ hybridizationによるEBERの検索を行った。そのうち3例についてはPCR法によるT細胞レセプター (TCR) 遺伝子再構築の検索を行った。過去にT細胞性と診断された7例のうち, 4例がCD56陽性となり, NK/T細胞性であった可能性が高くなった。EBVの検索ではEBNA1と...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 50; no. 2; pp. 82 - 88
Main Authors 鈴木, 衞, 高田, 大輔, 吉田, 知之, 伊藤, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.04.2007
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.50.82

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Summary:1991年から2003年にかけて鼻腔NK/T細胞性およびT細胞性悪性リンパ腫と診断された症例の組織標本に対してモノクローナル抗体 (CD2, CD3, CD5, CD56) を用いた免疫組織化学的染色による表現型の確認とEBV潜伏感染遺伝子 (EBNA1, EBNA2, ZEBRA) の検索, in situ hybridizationによるEBERの検索を行った。そのうち3例についてはPCR法によるT細胞レセプター (TCR) 遺伝子再構築の検索を行った。過去にT細胞性と診断された7例のうち, 4例がCD56陽性となり, NK/T細胞性であった可能性が高くなった。EBVの検索ではEBNA1とEBERが高率に陽性を示したが, EBNA 2とZEBRAは全例陰性であった。以上より, NK/T細胞性リンパ腫と診断されたものの中にNK細胞由来のものとT細胞由来のものが潜在すると考えられた。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.50.82