慢性化した鳩飼病の1例

症例は56歳女性. 1990年に胸部X線写真上間質性陰影を指摘され, 近医に入院し鳩飼病と診断された. 鳩を処分し退院したが, その後労作性呼吸困難が出現, 増強した. 1995年1月, 精査加療目的にて当科に入院となった. 胸腔鏡下肺生検を施行し, 病理組織所見としては肉芽腫様病変と細気管支中心性に線維性病変と小型の蜂窩肺の所見を認めた. また, 上肺野に線維性病変が強く目立った. Ouchterlony 法では鳩血清に対し陽性反応を示し慢性化した鳩飼病と診断した. 鳩飼病は本邦において報告例が少なく, 更に慢性型での病理組織所見に関する報告例は数例であることから興味深い症例と考え報告した....

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 35; no. 10; pp. 1119 - 1123
Main Authors 塚越, 正章, 北村, 諭, 杉山, 幸比古, 斉藤, 建, 大野, 彰二
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.10.1997
Subjects
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.35.1119

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Summary:症例は56歳女性. 1990年に胸部X線写真上間質性陰影を指摘され, 近医に入院し鳩飼病と診断された. 鳩を処分し退院したが, その後労作性呼吸困難が出現, 増強した. 1995年1月, 精査加療目的にて当科に入院となった. 胸腔鏡下肺生検を施行し, 病理組織所見としては肉芽腫様病変と細気管支中心性に線維性病変と小型の蜂窩肺の所見を認めた. また, 上肺野に線維性病変が強く目立った. Ouchterlony 法では鳩血清に対し陽性反応を示し慢性化した鳩飼病と診断した. 鳩飼病は本邦において報告例が少なく, 更に慢性型での病理組織所見に関する報告例は数例であることから興味深い症例と考え報告した.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.35.1119