鼻茸における肥満細胞のヒスタミン放出状態の検討

ヒスタミンに特異性のある抗体をウサギ免疫にて作製し, 鼻アレルギー合併例および鼻アレルギー非合併例の鼻茸組織の上皮層および上皮下結合組織層に存在する肥満細胞のヒスタミン放出状態を免疫組織学的手法を用いて観察を行い, 鼻アレルギー合併例は鼻アレルギー非合併例の鼻茸組織と比較して, 上皮層の肥満細胞は増加しており, また上皮下結合組織層の肥満細胞と比較してヒスタミン放出が増加していた。そして, 上皮下結合組織層に存在する肥満細胞のヒスタミン放出は鼻アレルギー合併例で高度であった。 これより, アレルギーの関与した鼻茸の成因および成長にはヒスタミンが関わりをもち, 鼻粘膜と同様に鼻茸組織表層において...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 36; no. 1; pp. 23 - 29
Main Authors 永瀬, 茂代, 長谷川, 達哉, 向田, 政博, 舩坂, 宗太郎, 平出, 文久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.02.1993
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.36.23

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Summary:ヒスタミンに特異性のある抗体をウサギ免疫にて作製し, 鼻アレルギー合併例および鼻アレルギー非合併例の鼻茸組織の上皮層および上皮下結合組織層に存在する肥満細胞のヒスタミン放出状態を免疫組織学的手法を用いて観察を行い, 鼻アレルギー合併例は鼻アレルギー非合併例の鼻茸組織と比較して, 上皮層の肥満細胞は増加しており, また上皮下結合組織層の肥満細胞と比較してヒスタミン放出が増加していた。そして, 上皮下結合組織層に存在する肥満細胞のヒスタミン放出は鼻アレルギー合併例で高度であった。 これより, アレルギーの関与した鼻茸の成因および成長にはヒスタミンが関わりをもち, 鼻粘膜と同様に鼻茸組織表層において著しく肥満細胞よりのヒスタミン放出はおこることが推定された。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.36.23