虫垂Crohn病の1例
虫垂に限局したCrohn病は非常にまれな疾患で, 本邦では10例の報告をみるにすぎない. 今回, われわれは虫垂Crohn病と診断された1例を経験したので報告する. 症例は20歳の男性, 右下腹部痛を主訴に当科を受診した. 受診時, 右下腹部に圧痛, 筋性防禦を認めた. 腹部超音波, 腹部CTで回盲部に腫大した腫瘤陰影を認めた. 急性虫垂炎と診断し, 緊急開腹術を施行した. 虫垂は炎症性に著明に腫大しており, 35×30mmの大きさであった. 虫垂腫瘍と診断し, 2期的にD2リンパ節郭清を伴う回盲部切除を施行した. 術後の病理組織検査で, 虫垂に全層性炎症性病変, 非乾酪性小型肉芽腫および裂溝...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 12; pp. 2397 - 2401 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
1998
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.31.2397 |
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Summary: | 虫垂に限局したCrohn病は非常にまれな疾患で, 本邦では10例の報告をみるにすぎない. 今回, われわれは虫垂Crohn病と診断された1例を経験したので報告する. 症例は20歳の男性, 右下腹部痛を主訴に当科を受診した. 受診時, 右下腹部に圧痛, 筋性防禦を認めた. 腹部超音波, 腹部CTで回盲部に腫大した腫瘤陰影を認めた. 急性虫垂炎と診断し, 緊急開腹術を施行した. 虫垂は炎症性に著明に腫大しており, 35×30mmの大きさであった. 虫垂腫瘍と診断し, 2期的にD2リンパ節郭清を伴う回盲部切除を施行した. 術後の病理組織検査で, 虫垂に全層性炎症性病変, 非乾酪性小型肉芽腫および裂溝が認められ, 虫垂Chohn病と診断された. 術後経過は順調で, 2年経った現在, 再発の徴候は認めていない. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.31.2397 |