気管循環動注法による気管平滑筋収縮反応

著者らは, 薬剤の気管循環動注により気管平滑筋収縮の用量反応曲線を描く実験モデル作製のため血管解剖を分析し, 本モデルの有用性を評価するため薬理反応の点から検討を加えた. 雑種成犬52頭の頭側甲状腺動脈の分岐様式は, 最初に筋枝を分岐して甲状腺枝と気管枝となる一般型, 最初に気管枝を分岐して甲状腺枝と筋枝になる型, 甲状腺枝, 気管支, 筋枝の3本が同時に分岐する型, 筋枝を欠く型の4つに大別された. 左右の組み合わせをみると, 両側とも一般型に分岐するものが62%, 左右いずれかが一般型のものが23%, 残りの15%がその他の組み合わせであった. 気管循環動注法により, アセチルコリン, セ...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 29; no. 12; pp. 1538 - 1546
Main Authors 小野寺, 晃彦, 三浦, 傅, 塩谷, 隆信, 三浦, 進一, 加賀谷, 学, 吉田, 功一, 三浦, 一樹
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.12.1991
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.29.1538

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Summary:著者らは, 薬剤の気管循環動注により気管平滑筋収縮の用量反応曲線を描く実験モデル作製のため血管解剖を分析し, 本モデルの有用性を評価するため薬理反応の点から検討を加えた. 雑種成犬52頭の頭側甲状腺動脈の分岐様式は, 最初に筋枝を分岐して甲状腺枝と気管枝となる一般型, 最初に気管枝を分岐して甲状腺枝と筋枝になる型, 甲状腺枝, 気管支, 筋枝の3本が同時に分岐する型, 筋枝を欠く型の4つに大別された. 左右の組み合わせをみると, 両側とも一般型に分岐するものが62%, 左右いずれかが一般型のものが23%, 残りの15%がその他の組み合わせであった. 気管循環動注法により, アセチルコリン, セロトニン, ヒスタミン, α1作働薬フェニレフリン, α2作働薬クロニジンについて用量依存性に気管平滑筋収縮がみられ, イヌ気管平滑筋において交感神経系アミンによる気管収縮は2つのα受容体サブタイプ,α1およびα2によることが示唆された.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.29.1538