家族内発生をみた夏型過敏性肺臓炎例

5人家族でうち3人が同時期に発症した夏型過敏性肺臓炎例を経験した. 症例は, 父, 母および娘の3人で8月から9月にかけて, 咳嗽, 喀痰および呼吸困難で発症した. 娘と母は胸部X線写真上びまん性微細粒状影を呈した. 気管支肺胞洗浄液では全例に総細胞数とリンパ球分画の増多とCD4/CD8比の低下を認め, 娘から得られた経気管支肺生検では, 肉芽腫および Masson 体を伴った胞隔炎を認めた. 血清学的に Trichiosporon cutaneum 抗体が証明され, 夏型過敏性肺臓炎と診断した. 発症機序として, 抗原暴露などの環境因子および遺伝的素因が考えられた....

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 34; no. 12; pp. 1401 - 1405
Main Authors 川山, 智隆, 川口, 信三, 重松, 浩成, 川原, 正士, 大泉, 耕太郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.12.1996
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.34.1401

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Summary:5人家族でうち3人が同時期に発症した夏型過敏性肺臓炎例を経験した. 症例は, 父, 母および娘の3人で8月から9月にかけて, 咳嗽, 喀痰および呼吸困難で発症した. 娘と母は胸部X線写真上びまん性微細粒状影を呈した. 気管支肺胞洗浄液では全例に総細胞数とリンパ球分画の増多とCD4/CD8比の低下を認め, 娘から得られた経気管支肺生検では, 肉芽腫および Masson 体を伴った胞隔炎を認めた. 血清学的に Trichiosporon cutaneum 抗体が証明され, 夏型過敏性肺臓炎と診断した. 発症機序として, 抗原暴露などの環境因子および遺伝的素因が考えられた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.34.1401