市販野菜中の還元型ビタミンC量の季節変動の統計解析
1982年1月から1983年12月までの期間に, 市販の8種類の野菜について, インドフェノール・キシレン法によってそれぞれの還元型ビタミンC量を49~51回測定した.8種の野菜の季節変動のパターンを比較するために, それぞれの測定値から季節変動を示す折れ線グラフを描き, 読み取りによって10日ごとのビタミンC量を求めて, 測定日をそろえ変動曲線を描きなおした.さらに単純移動平均法によって平滑化を加えて季節変動のパターンを明確にした.2年間において季節変動のパターンに有意な相関係数が得られたのは, キュウリ・ホウレンソウ・ナス・トマト・レタスの5種であった.この5種の野菜の季節変動の類似性を調...
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Published in | 家政学雑誌 Vol. 36; no. 11; pp. 833 - 839 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本家政学会
20.11.1985
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ISSN | 0449-9069 1884-7870 |
DOI | 10.11428/jhej1951.36.833 |
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Summary: | 1982年1月から1983年12月までの期間に, 市販の8種類の野菜について, インドフェノール・キシレン法によってそれぞれの還元型ビタミンC量を49~51回測定した.8種の野菜の季節変動のパターンを比較するために, それぞれの測定値から季節変動を示す折れ線グラフを描き, 読み取りによって10日ごとのビタミンC量を求めて, 測定日をそろえ変動曲線を描きなおした.さらに単純移動平均法によって平滑化を加えて季節変動のパターンを明確にした.2年間において季節変動のパターンに有意な相関係数が得られたのは, キュウリ・ホウレンソウ・ナス・トマト・レタスの5種であった.この5種の野菜の季節変動の類似性を調べるために主成分分析を適用した. その結果, 第1主成分は1年を通じてのビタミンC量の変化を特徴づけるものとみなせる.第1主成分の因子負荷量が正の値であったホウレンソウ・レタスでは, 夏・秋にビタミンC量は低下し, 因子負荷量が負の値であったトマト・キュウリ・ナスでは, 逆に夏・秋にビタミンC量が高くなる傾向を示した.第2主成分は, 1年の期間内における小周期のビタミンC量の変化を特徴づけるものとみなせる. 以上の結果, 5種の野菜をトマト・キュウリ・ナスの群とホウレンソウ・レタスの群とに分類することができた. ハクサイ・キャベツ・ピーマンについては, 4~11月の期間を取り出して時系列分析を行った.その結果,キャベツに周期性が認められた.1982年では70日周期, 1983年では40日周期であった. |
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ISSN: | 0449-9069 1884-7870 |
DOI: | 10.11428/jhej1951.36.833 |