生化学的パラメーターによる胸水の診断

胸水の原因の診断を目的として, 7種類の生化学的パラメーター (CEA, ADA, IAP, TPA, Ferritin, AHSG, LZM) を検討した. 対象は確定診断のついた胸水貯溜例94例で前半の53例を診断基準設定のための群とし, 悪性胸水に対して各パラメーターごとに cut off level を設定し, 後半の41例でこの診断基準の検定を行った. これらのパラメーターを組み合わせることにより各項目単独の場合より鑑別診断の精度が上昇した. 陽性点数による診断基準のためにはADA, CEA, IAP, (TPA) の組合せが実用的と考えられた. 重回帰分析より得られた score...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 22; no. 10; pp. 853 - 860
Main Authors 佐道, 理文, 伊奈, 康孝, 浦田, 淳夫, 高田, 勝利, 村松, 元江, 柿原, 秀敏, 市村, 貴美子, 浅井, 学, 山本, 正彦, 樋田, 豊明, 長谷川, 泰洋, 荒川, 啓基, 野村, 靖郎, 鳥井, 義夫, 杉浦, 孝彦, 千田, 嘉博, 鈴木, 隆元, 森下, 宗彦, 鈴木, 雅之, 吉川, 公章
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.10.1984
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.22.853

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Summary:胸水の原因の診断を目的として, 7種類の生化学的パラメーター (CEA, ADA, IAP, TPA, Ferritin, AHSG, LZM) を検討した. 対象は確定診断のついた胸水貯溜例94例で前半の53例を診断基準設定のための群とし, 悪性胸水に対して各パラメーターごとに cut off level を設定し, 後半の41例でこの診断基準の検定を行った. これらのパラメーターを組み合わせることにより各項目単独の場合より鑑別診断の精度が上昇した. 陽性点数による診断基準のためにはADA, CEA, IAP, (TPA) の組合せが実用的と考えられた. 重回帰分析より得られた score は悪性と結核性胸水の鑑別にさらに有用であり, ADA, CEA, IAP, (AHSG) の組合せが実用的と考えられた. コンピューター診断支援システムであるSHELPを紹介し, 以上の結果をコンピューター診断支援システムのプログラムに組みこむことは有用な手段である事を示した.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.22.853