胃・十二指腸潰瘍における術式別にみた術後の減酸効果・胃内容排泄時間および遠隔成績について

過去8年間の胃・十二指腸潰瘍症例に行われた手術々式のうちで幽門保存胃切除術・幽門切除兼選迷切・幽門洞部分切除兼選近迷切および広範囲胃切除術について術前・術直後および遠隔時の減酸効果・胃内容排泄時間について検討し, Visick分類による評価を行った.術後MAOは4術式共5mEq/hの範囲内に減酸した.排泄時間は幽門保存胃切除術では65分と正常に近く, 遠隔時でも30分になり, 広範囲胃切除術では15分と非常に促進した.gastric stasisは幽門洞切除兼迷切群では84.6%と高率に, 一方幽門保存胃切除群では28%と低率にみられた.Visick分類では4術式間に差はなく, 良好な成績を示...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 11; no. 11; pp. 947 - 953
Main Authors 久保田, 憲彦, 石橋, 弘之, 間島, 進, 鋳谷, 周三, 野見山, 世司, 大西, 淳夫, 児玉, 博行, 藤田, 佳宏, 立石, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1978
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.11.11_947

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Summary:過去8年間の胃・十二指腸潰瘍症例に行われた手術々式のうちで幽門保存胃切除術・幽門切除兼選迷切・幽門洞部分切除兼選近迷切および広範囲胃切除術について術前・術直後および遠隔時の減酸効果・胃内容排泄時間について検討し, Visick分類による評価を行った.術後MAOは4術式共5mEq/hの範囲内に減酸した.排泄時間は幽門保存胃切除術では65分と正常に近く, 遠隔時でも30分になり, 広範囲胃切除術では15分と非常に促進した.gastric stasisは幽門洞切除兼迷切群では84.6%と高率に, 一方幽門保存胃切除群では28%と低率にみられた.Visick分類では4術式間に差はなく, 良好な成績を示した.以上, 4術式の手術選択と適応はほぼ満足すべきであった.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.11.11_947