意識障害改善後に記憶障害が顕在化した一例 階層モデルに沿った介入

頭蓋咽頭腫に対する術後に意識障害を認め、意識障害改善後に注意障害、記憶障害を中心とした高次脳機能障害を呈した40代男性に対し、情報処理過程としての高次脳機能の過程に従いリハビリテーションアプローチを行った。記憶障害に対しては直接的アプローチに加え、外的補助手段としてメモリーノートを導入した。しかし、記憶障害に対する障害認識を十分持ち合わせておらず、効果的な導入は困難であった。そこでアウェアネスの概念に沿ったアプローチを実施した。その結果、WMS-R等の評価で改善を認めた。また知的アウェアネスの獲得に至り、メモリーノートを自発的に確認することが可能となった。階層モデルに従い、アプローチをしていく...

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Published in人間環境学研究 Vol. 16; no. 2; pp. 97 - 102
Main Authors 青柳, 陽一郎, 鈴木, 孝治, 大橋, 美穂, 粥川, 知子, 蛭牟田, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 人間環境学研究会 2018
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ISSN1348-5253
1883-7611
DOI10.4189/shes.16.97

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Summary:頭蓋咽頭腫に対する術後に意識障害を認め、意識障害改善後に注意障害、記憶障害を中心とした高次脳機能障害を呈した40代男性に対し、情報処理過程としての高次脳機能の過程に従いリハビリテーションアプローチを行った。記憶障害に対しては直接的アプローチに加え、外的補助手段としてメモリーノートを導入した。しかし、記憶障害に対する障害認識を十分持ち合わせておらず、効果的な導入は困難であった。そこでアウェアネスの概念に沿ったアプローチを実施した。その結果、WMS-R等の評価で改善を認めた。また知的アウェアネスの獲得に至り、メモリーノートを自発的に確認することが可能となった。階層モデルに従い、アプローチをしていくことで症例の現状や段階を捉えやすくなりリハビリテーション介入がよりスムースとなった。
ISSN:1348-5253
1883-7611
DOI:10.4189/shes.16.97