自然保育認定・認証制度導入による保育者の意識と行動の変容 認定・認証前後の比較を中心に

本研究の目的は、自然保育認定・認証園に勤める保育者を対象とする質問紙調査を通して、自治体から園が自然保育の認定・認証を受けることが、保育者の意識や行動にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。2021年5月時点で、鳥取県、長野県、広島県、滋賀県において自然保育認定・認証を受けている園に勤めている全保育者4,324名を対象とする質問紙調査を行い、1,374名から回答を得た。 本調査を通して、(1)認定・認証後の方が、園で自然体験活動を実施する頻度が高まっていること、(2)認定・認証後は、屋外での活動に対する保育者の抵抗感が減少し、自然に関する知識を得たいという意識が高まっていること、...

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Published in自然保育学研究 Vol. 6; no. 1; pp. 1 - 13
Main Authors 杉山, 浩之, 酒井, 真由子, 山口, 美和, 大道, 香織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本自然保育学会 31.03.2024
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ISSN2436-729X
DOI10.51051/jsececn.6.1_1

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Summary:本研究の目的は、自然保育認定・認証園に勤める保育者を対象とする質問紙調査を通して、自治体から園が自然保育の認定・認証を受けることが、保育者の意識や行動にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。2021年5月時点で、鳥取県、長野県、広島県、滋賀県において自然保育認定・認証を受けている園に勤めている全保育者4,324名を対象とする質問紙調査を行い、1,374名から回答を得た。 本調査を通して、(1)認定・認証後の方が、園で自然体験活動を実施する頻度が高まっていること、(2)認定・認証後は、屋外での活動に対する保育者の抵抗感が減少し、自然に関する知識を得たいという意識が高まっていること、(3)認定・認証後は、園全体で屋外活動を推進し、保育者が屋外での自然体験活動に取り組みやすい雰囲気に変化していること、(4)認定・認証後の方が保育者の安全管理に関する知識が向上する傾向が認められたが、危険な動植物や地形に対する知識を有している保育者は5割程度にとどまっていること、の4点が明らかになった。
ISSN:2436-729X
DOI:10.51051/jsececn.6.1_1