学校栄養職員による食教育の現状 全国の小・中学校を対象として
全国の国公立小中学校から無作為に900校を抽出し, 学校栄養職員宛に食教育に関する質問紙を郵送し, 調査を行い, 以下のような結果を得た。 1) 食教育を行っている学校は, 小学校で80.4%, 中学校では68.5%であった。また, 食教育を行っている学校で, 学校栄養職員が食教育に関与している割合は小学校, 中学校ともに90%以上であった。 2) 食教育の中心人物を学校に専属している学校栄養職員と共同調理場に勤務している学校栄養職員で比較したところ, 学校専属の学校栄養職員が中心となっている割合は82.1%, 共同調理場勤務では62.1%であり, 学校栄養職員の所属による食教育の関わりに違い...
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| Published in | 日本食生活学会誌 Vol. 15; no. 3; pp. 194 - 201 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本食生活学会
2004
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1346-9770 1881-2368 |
| DOI | 10.2740/jisdh.15.194 |
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| Summary: | 全国の国公立小中学校から無作為に900校を抽出し, 学校栄養職員宛に食教育に関する質問紙を郵送し, 調査を行い, 以下のような結果を得た。 1) 食教育を行っている学校は, 小学校で80.4%, 中学校では68.5%であった。また, 食教育を行っている学校で, 学校栄養職員が食教育に関与している割合は小学校, 中学校ともに90%以上であった。 2) 食教育の中心人物を学校に専属している学校栄養職員と共同調理場に勤務している学校栄養職員で比較したところ, 学校専属の学校栄養職員が中心となっている割合は82.1%, 共同調理場勤務では62.1%であり, 学校栄養職員の所属による食教育の関わりに違いが見られた。 3) 食教育に対する満足度は非常に低く, 改善すべき点として「時間の不足」が最も多くあげられており, 学校栄養職員の職務内容の整備や配置人数の増大, 学校の枠, 地域の枠を乗り越えた共同作業など今後その対策が必要であると言える。 4) 学校栄養職員による食教育の実施状況と学校側の食教育に対する姿勢とを分析したところ, 学校栄養職員の食教育の実践は学校側の協力体制と大きく関わっていることが明らかとなった。また, 中学校における食教育の実施率の低さと学校側の姿勢から, 食教育は中学校よりも小学校で行うべきであるという学校側の考えが伺えた。 食教育は一時的に行うものではなく, 発達段階に見合ったプログラムを実践していくことが重要であり, 今後, 学校の食教育への意識の改善もさらに必要であることが明らかとなった。 |
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| ISSN: | 1346-9770 1881-2368 |
| DOI: | 10.2740/jisdh.15.194 |