先天性第V, VIII因子欠乏症患者の歯科口腔外科処置における止血方法の検討

先天性第V, VIII因子欠乏症は血友病に比較しまれな遺伝性の血液凝固異常症である。本邦では約30例のみが報告されているにすぎなく, 本疾患患者の歯科口腔外科治療時の止血方法についての報告はきわめて少ない。われわれは15年間に先天性第V, VIII因子欠乏症患者のスケーリングや抜歯を行った。これらの治療前にはdeamino-8-D-arginine vasopressin投与による第VIII因子増加措置を施行した。生来の第V因子活性が約15%であったため, 第V因子増加措置は必要性がなかった。局所止血としては当初, 床副子と歯肉包帯を用いていたが, 最近では抜歯窩にアテロコラーゲンスポンジを填...

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Published in有病者歯科医療 Vol. 8; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 宇佐美, 雄司, 小田, 有紀子, 上田, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本有病者歯科医療学会 20.03.2000
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ISSN0918-8150
1884-667X
DOI10.11255/jjmcp1992.8.1

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Summary:先天性第V, VIII因子欠乏症は血友病に比較しまれな遺伝性の血液凝固異常症である。本邦では約30例のみが報告されているにすぎなく, 本疾患患者の歯科口腔外科治療時の止血方法についての報告はきわめて少ない。われわれは15年間に先天性第V, VIII因子欠乏症患者のスケーリングや抜歯を行った。これらの治療前にはdeamino-8-D-arginine vasopressin投与による第VIII因子増加措置を施行した。生来の第V因子活性が約15%であったため, 第V因子増加措置は必要性がなかった。局所止血としては当初, 床副子と歯肉包帯を用いていたが, 最近では抜歯窩にアテロコラーゲンスポンジを填入し止血を得ている。血液凝固異常を有する患者の抜歯おいては局所止血が重要であると考えられた。
ISSN:0918-8150
1884-667X
DOI:10.11255/jjmcp1992.8.1