社会的比較によって生じる感情や行動の発達的変化 パーソナリティ特性との関連性に焦点を当てて

本研究の目的は,小学4年生,6年生ならびに中学2年生を対象とし,社会的比較を行った後,その個人に生じる感情や行動について発達的に検討すること,ならびにそれが個人のパーソナリティ特性とどう関連しているのかを検討することであった。領域別コンピテンス,競争心,情緒性のどのパーソナリティ特性が社会的比較によって生じる感情や行動に強く影響を及ぼすのかを検討するために,3つのパーソナリティ特性を説明変数に,社会的比較の結果下位尺度を各々基準変数とする重回帰分析を学年別に行った。本研究の結果より,社会的比較を行った後に,その個人に生じる感情や行動は,パーソナリティ特性や発達段階に応じて異なることがわかった。...

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Published inパーソナリティ研究 Vol. 15; no. 1; pp. 1 - 12
Main Author 外山, 美樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 2006
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ISSN1348-8406
1349-6174
DOI10.2132/personality.15.1

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Summary:本研究の目的は,小学4年生,6年生ならびに中学2年生を対象とし,社会的比較を行った後,その個人に生じる感情や行動について発達的に検討すること,ならびにそれが個人のパーソナリティ特性とどう関連しているのかを検討することであった。領域別コンピテンス,競争心,情緒性のどのパーソナリティ特性が社会的比較によって生じる感情や行動に強く影響を及ぼすのかを検討するために,3つのパーソナリティ特性を説明変数に,社会的比較の結果下位尺度を各々基準変数とする重回帰分析を学年別に行った。本研究の結果より,社会的比較を行った後に,その個人に生じる感情や行動は,パーソナリティ特性や発達段階に応じて異なることがわかった。小学生(4年生ならびに6年生)においては,領域別コンピテンスが特に,社会的比較によって生じる感情や行動と強く関連していた。一方,中学2年生においては,競争心が社会的比較によって生じる感情や行動に影響を及ぼしていた。
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.15.1