軟骨形成性腫瘍について: 下顎頭に発生した軟骨芽細胞腫

要旨 : 左側下顎頭に発生した軟骨芽細胞腫の1例について, 臨床的病態と画像所見, ならびに病理所見について報告した. 下顎頭における発生例は過去30年間で, 本症例を含めて5例のみであり, 稀である. 「緒言」軟骨芽細胞腫は1942年にJaffe and Lichitenstein1)によって命名された稀な軟骨原性良性腫瘍である. 本腫瘍の多くは大腿骨, 脛骨端に発生し, 骨髄中に拡大することがある2-4). 顎関節, 特に下顎頭部における本腫瘍の報告例はわずかである. われわれは左下顎頭に発生した軟骨芽細胞腫を経験した. 本症例では, 腫瘍は下顎頭皮質骨の骨吸収性病変として認められ, 長管...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 12; no. 4; pp. 383 - 386
Main Authors 亀井, 和利, 濱田, 良樹, 近藤, 壽郎, 瀬戸, 〓一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 15.12.2000
日本口腔腫瘍学会
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.12.383

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Summary:要旨 : 左側下顎頭に発生した軟骨芽細胞腫の1例について, 臨床的病態と画像所見, ならびに病理所見について報告した. 下顎頭における発生例は過去30年間で, 本症例を含めて5例のみであり, 稀である. 「緒言」軟骨芽細胞腫は1942年にJaffe and Lichitenstein1)によって命名された稀な軟骨原性良性腫瘍である. 本腫瘍の多くは大腿骨, 脛骨端に発生し, 骨髄中に拡大することがある2-4). 顎関節, 特に下顎頭部における本腫瘍の報告例はわずかである. われわれは左下顎頭に発生した軟骨芽細胞腫を経験した. 本症例では, 腫瘍は下顎頭皮質骨の骨吸収性病変として認められ, 長管骨端に発生した軟骨芽細胞腫の定型的病態に酷似していた. 本報告ではその臨床所見と病理所見について報告する. 「症例」患者 : 27歳, 女性. 主訴 : 開口障害, 左顎関節痛. 家族歴 : 特記事項なし.
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.12.383