GS22 航海での高分解能サブボトムプロファイラー探査に基づく トカラ列島周辺海域の海底下浅部構造

GS22航海では,2022年5月から6月の期間に東京海洋大学の神鷹丸を用いて,トカラ列島周辺海域で高分解能サブボトムプロファイラー探査を行い,本海域の海底下浅部に関する地質情報を取得した.本論では,屋久島周辺海域及び宝島北方海域でのSBP探査により明らかになった海底下浅部の地質構造をまとめる.屋久島の周辺部のうち,屋久島北方沖では陸棚部分の堆積層の内部構造は不明であったが,部分的に成層した層厚が海底面下最大20 m程度の堆積層が認められた.屋久島西方沖の火山フロント域では海底面下最大約40 mまで成層した堆積層の内部構造を把握できた.屋久島南方沖の火山フロント域及び種子–屋久海脚の部分では,部...

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Published in地質調査研究報告 Vol. 75; no. 5-6; pp. 197 - 208
Main Authors 鈴木, 克明, 有元, 純, 石野, 沙季, 高下, 裕章, 古山, 精史朗, 三澤, 文慶
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 27.12.2024
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ISSN1346-4272
2186-490X
DOI10.9795/bullgsj.75.5-6_197

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Summary:GS22航海では,2022年5月から6月の期間に東京海洋大学の神鷹丸を用いて,トカラ列島周辺海域で高分解能サブボトムプロファイラー探査を行い,本海域の海底下浅部に関する地質情報を取得した.本論では,屋久島周辺海域及び宝島北方海域でのSBP探査により明らかになった海底下浅部の地質構造をまとめる.屋久島の周辺部のうち,屋久島北方沖では陸棚部分の堆積層の内部構造は不明であったが,部分的に成層した層厚が海底面下最大20 m程度の堆積層が認められた.屋久島西方沖の火山フロント域では海底面下最大約40 mまで成層した堆積層の内部構造を把握できた.屋久島南方沖の火山フロント域及び種子–屋久海脚の部分では,部分的に成層した堆積層が認められるが,音波の透過が悪く内部構造の大部分は不鮮明であった.また,近年地震が群発している宝島北方沖の観測では地震活動に関連した海底変動の存在を想定したが,海底に到達した断層及び下部からの貫入構造などは認められなかった.
ISSN:1346-4272
2186-490X
DOI:10.9795/bullgsj.75.5-6_197