多中心性乳頭状胆管癌の1例
多中心性乳頭状胆管癌の切除例を経験したので胆管多発癌の外科的治療, 特に胆管切除範囲を中心に報告する. 症例は67歳の男性で発熱を伴う上腹部痛にて発症した.経皮胆道ドレナージ後, 術前画像診断より肝門部を中心とした多発胆管癌と診断し, 肝拡大右葉切除兼尾状葉切除術 (胆嚢・総胆管切除), 左肝管空腸吻合術 (Roux-en-Y) を施行した. 切除標本の肉眼所見は下部胆管より左肝管起始部, 右肝内胆管を中心として乳頭状腫瘤が散在し, 組織学的には乳頭腺癌であった. 本症における癌遺残防止のため, 多発病巣の検索と切除範囲の決定において高周波数探触子による術中超音波検査が有用であった. また自験...
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| Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 23; no. 5; pp. 1182 - 1185 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
1990
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| ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI | 10.5833/jjgs.23.1182 |
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| Summary: | 多中心性乳頭状胆管癌の切除例を経験したので胆管多発癌の外科的治療, 特に胆管切除範囲を中心に報告する. 症例は67歳の男性で発熱を伴う上腹部痛にて発症した.経皮胆道ドレナージ後, 術前画像診断より肝門部を中心とした多発胆管癌と診断し, 肝拡大右葉切除兼尾状葉切除術 (胆嚢・総胆管切除), 左肝管空腸吻合術 (Roux-en-Y) を施行した. 切除標本の肉眼所見は下部胆管より左肝管起始部, 右肝内胆管を中心として乳頭状腫瘤が散在し, 組織学的には乳頭腺癌であった. 本症における癌遺残防止のため, 多発病巣の検索と切除範囲の決定において高周波数探触子による術中超音波検査が有用であった. また自験例では第2群リンパ節に転移を認め, 十分なリンパ節郭清の必要性が示唆された. |
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| ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI: | 10.5833/jjgs.23.1182 |