Kerley's A, B line を認めた急性好酸球性肺炎の1例

18歳の女性が急激に進む強い呼吸困難と, 乾性咳嗽および発熱を主訴に入院した. 彼女は前日の夜, 頭痛のためバッファリンを服用し, その8時間後より症状が出現した. 入院時の胸部レントゲン写真では, いわゆる Kerley の A, B line, perivascular cuffing, hilar haze および両側胸水が認められ, 間質性肺水腫が疑われた. 入院時38℃の発熱があり, PaO2は48torrと強い低酸素血症を示した. 感染症や過敏性肺臓炎を示唆する所見はなかった. バッファリンに対するDLSTは陰性だった. 末梢血では好酸球増多はなかったが, BALF中に好酸球とリン...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 31; no. 8; pp. 1040 - 1044
Main Authors 土井, 義之, 内田, 和仁, 関口, 繁男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.08.1993
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.31.1040

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Summary:18歳の女性が急激に進む強い呼吸困難と, 乾性咳嗽および発熱を主訴に入院した. 彼女は前日の夜, 頭痛のためバッファリンを服用し, その8時間後より症状が出現した. 入院時の胸部レントゲン写真では, いわゆる Kerley の A, B line, perivascular cuffing, hilar haze および両側胸水が認められ, 間質性肺水腫が疑われた. 入院時38℃の発熱があり, PaO2は48torrと強い低酸素血症を示した. 感染症や過敏性肺臓炎を示唆する所見はなかった. バッファリンに対するDLSTは陰性だった. 末梢血では好酸球増多はなかったが, BALF中に好酸球とリンパ球の著増を認めたことより急性好酸球性肺炎が強く疑われた. 臨床所見と胸部レントゲン所見は1週間以内にステロイドを用いずに改善した. 急性好酸球性肺炎の多くは, 胸部レントゲン上びまん性粒状影と記載されている. 今回は, kerley line の目立つレントゲン所見を呈した稀な症例を報告した.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.31.1040