von Recklinghausen 病に合併した十二指腸ソマトスタチノーマの2例

von Recklinghausen 病 (以下, VR病と略記) に合併した十二指腸ソマトスタチノーマのまれな2例を経験したので報告する. 症例1は45歳の男性, 症例2は67歳の男性で, 2例ともVR病のためカフェオレ斑および神経線維腫が全身皮膚に多発. 両者ともVater 乳頭部口側の十二指腸カルチノイドの術前診断にて膵頭十二指腸切除術を施行した. 病理診断: 2例とも腫瘍は十二指腸から膵頭部にかけて進展し, 強拡像では類円型核と顆粒状の胞体を有する細胞が島状, 管状に増殖し, 砂粒小体を含んでいた. また, 所属リンパ節転移を認めた. 原発巣は免疫染色でソマトスタチン強陽性, クロモグ...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 8; pp. 1312 - 1317
Main Authors 山田, 睦夫, 佐久間, 威之, 二瓶, 光博, 片方, 直人, 山口, 佳子, 渡辺, 文明, 野水, 整, 権田, 憲士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2005
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.38.1312

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Summary:von Recklinghausen 病 (以下, VR病と略記) に合併した十二指腸ソマトスタチノーマのまれな2例を経験したので報告する. 症例1は45歳の男性, 症例2は67歳の男性で, 2例ともVR病のためカフェオレ斑および神経線維腫が全身皮膚に多発. 両者ともVater 乳頭部口側の十二指腸カルチノイドの術前診断にて膵頭十二指腸切除術を施行した. 病理診断: 2例とも腫瘍は十二指腸から膵頭部にかけて進展し, 強拡像では類円型核と顆粒状の胞体を有する細胞が島状, 管状に増殖し, 砂粒小体を含んでいた. また, 所属リンパ節転移を認めた. 原発巣は免疫染色でソマトスタチン強陽性, クロモグラニンA 陽性所見を示した. なお, 症例1の電子顕微鏡所見では腫瘍細胞の胞体に300~400nmの神経内分泌顆粒を豊富に認めた. VR病で十二指腸乳頭近傍腫瘍を認めた場合ソマトスタチノーマも鑑別診断に考慮する必要がある.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.38.1312