電気刺激による筋肉収縮を利用した体内発電システム設計のための筋収縮特性調査方法

【背景】心臓ペースメーカなどの植込み型能動型医療機器の恒久的な電源として,本研究では電気刺激による筋収縮を利用した体内発電に着目している.筋肉は信号に応じて体内の化学エネルギを運動エネルギに変換する組織であり,従来研究されてきた体内発電よりも能動的かつ高出力な電源の実現が期待できる.少量の筋肉を利用した発電機構設計の基礎的検討として,動物(ヒキガエル,ヤギ)の骨格筋の収縮特性を調査した.実用を想定した有酸素下における筋収縮を調べるため,筋肉は血流を有する必要があった.【方法】ヒキガエルでは,腓腹筋の腱のみを体外に導出して測定装置を接続した.電気刺激による筋肉の等張性収縮および等尺性収縮を調べた...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S77_1
Main Authors Sahara Genta, 土方 亘, 山田 昭博, 井上 雄介, 白石 泰之, 軽部 雅人, 源田 達也, 岩元 直樹, 舘崎 祐馬, 盛田 良介, 山家 智之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japanese Society for Medical and Biological Engineering 2019
公益社団法人 日本生体医工学会
Online AccessGet full text
ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.annual57.s77_1

Cover

More Information
Summary:【背景】心臓ペースメーカなどの植込み型能動型医療機器の恒久的な電源として,本研究では電気刺激による筋収縮を利用した体内発電に着目している.筋肉は信号に応じて体内の化学エネルギを運動エネルギに変換する組織であり,従来研究されてきた体内発電よりも能動的かつ高出力な電源の実現が期待できる.少量の筋肉を利用した発電機構設計の基礎的検討として,動物(ヒキガエル,ヤギ)の骨格筋の収縮特性を調査した.実用を想定した有酸素下における筋収縮を調べるため,筋肉は血流を有する必要があった.【方法】ヒキガエルでは,腓腹筋の腱のみを体外に導出して測定装置を接続した.電気刺激による筋肉の等張性収縮および等尺性収縮を調べた.ヤギでは,広背筋の一部を離断することなく表層から固定し,筋体の部分的な収縮を得た.その際の変位ならびに張力の継時的変化を同時に測定した.【結果】カエルの調査では単一筋の張力あるいは筋長を一定にした際の筋収縮特性が得られた.ヤギの調査では筋の一部を収縮させた際の動的な収縮特性が取得できた.【考察】当該手法は,血流を有する骨格筋の収縮特性の調査法として有用であると考えられる.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.annual57.s77_1