レジスタンストレーニング後に有酸素運動を行う複合運動の生理的変化

【トレーニング現場へのアイデア】レジスタンストレーニング(Resistance Training:以下 RT)と有酸素運動(Aerobics Exercise:以下AE)を組み合わせる運動はフィットネスやリハ ビリテーション分野においても実践されている。RT後にAEを行う方がAE中の酸素消費量を上が ることが分かった。しかし、RT中に生成された乳酸がAEにより緩衝(トレッドミルを用いた走 運動において60~70%VO2maxに相当する運動で最も乳酸の除去率が高かったとの報告がある。) されることは重要である。循環器患者のリハビリテーションでは乳酸値を測定し運動強度が適 切かどうか判断することが...

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Published inConference Proceedings of Japan Society of Scientific Coaching forTraining Vol. 2022; p. 27
Main Authors CHIGIRA Yusuke, 小泉 怜央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本トレーニング指導学会 2022
Japan Society of Scientific Coaching for Training
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ISSN2433-7773
2434-3323
DOI10.32171/cpjssct.2022.0_27

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Summary:【トレーニング現場へのアイデア】レジスタンストレーニング(Resistance Training:以下 RT)と有酸素運動(Aerobics Exercise:以下AE)を組み合わせる運動はフィットネスやリハ ビリテーション分野においても実践されている。RT後にAEを行う方がAE中の酸素消費量を上が ることが分かった。しかし、RT中に生成された乳酸がAEにより緩衝(トレッドミルを用いた走 運動において60~70%VO2maxに相当する運動で最も乳酸の除去率が高かったとの報告がある。) されることは重要である。循環器患者のリハビリテーションでは乳酸値を測定し運動強度が適 切かどうか判断することが推奨されているがAEによって緩衝され低い値になることで運動中の 強度を反映できない点は注意をする必要があると考える。 【目的】RT、AEを組み合わせた複合運動の有効性について検討された研究はいくつかあり、酸 素摂取量と筋力の向上や、体組成が改善するという報告がある。しかし、複合運動の実施が身 体の生理的変化に及ぼす影響についての報告は少ない。そこで本研究ではRT後にAEを行いその 生理的変化を比較、検討した。 【方法】測定環境:運動学実習室内 測定参加者:研究参加に同意した健常若年者(年齢20~22歳、 身長165.4±9.1cm、体重56.4±8.4㎏、BMI20.6±1.8)計18名を対象とした。 実験または測定手順及び分析方法:10分の安静後AEのみ行う群(A群)、とRT後にAEを行う群(R-A 群)の2群に分け比較検討した。両軍ともAEは60%VO2maxの強度でトレッドミル走20分間とした、 R-A群のRTはプッシュアップ、フルスクワット、斜め懸垂(45度)、を10 回3 セット(セット間・ 種目間休息 1 分)を実施し、RT、AE間の休息は2分とした。乳酸は介入前、RT後、介入終了後 に測定し、RT後と介入終了後は運動終了の1分後の計測とした。呼気ガス分析装置による計測 は介入時から運動終了後3分まで行った。 統計分析:A群とR-A群の郡内のLac、群間のVO2(有酸素運動中の定常状態での平均値)の比較 にWilcoxon の符号付き順位検定を使用した。 【結果】乳酸値はA群(p=0.011)、R-A群(p=0.023)ともに介入前後で有意差があった。VO2は AE中の平均値を比較し、R-A群で有意に高かった(p=0.033)。 R-A群はRT後に乳酸値が上昇し、 AE後に緩衝され低い値となった。 【考察】RT後にAEを実施することで、AEでの酸素摂取量が高値になり、RTで生成された乳酸が AEのエネルギー源となり、乳酸の除去につながったと考える。
ISSN:2433-7773
2434-3323
DOI:10.32171/cpjssct.2022.0_27