女子バレーボール選手におけるリバウンドジャンプ指数の片足両足比

【現場へのアイデア】本報告では、女子バレーボール選手を対象に、両足及び左右の片足によ るリバウンドジャンプ指数(以降RJ-index)を測定し、片足測定値の両足測定値に対する割合 (以降片足両足比と呼ぶ)の算出を試みた。その結果、身長や体重、ポジションやスクワット 1RMとの有意な相関が認められた。今後、RJ-indexの片足両足比は、トレーニング現場において、 両足によるエクササイズと片足によるエクササイズの強度や量の配分を検討する際などに、有 用な指標として活用できる可能性があると考えられる。 背景と目的:バレーボール競技において、片足にてパワーを発揮する局面は、スパイク、レシ ーブ、水平...

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Published inConference Proceedings of Japan Society of Scientific Coaching forTraining Vol. 2024; p. 31
Main Authors ARUGA Seiji, FUJII, OZAWA Shoh
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本トレーニング指導学会 2024
Japan Society of Scientific Coaching for Training
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ISSN2433-7773
2434-3323
DOI10.32171/cpjssct.2024.0_31

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Summary:【現場へのアイデア】本報告では、女子バレーボール選手を対象に、両足及び左右の片足によ るリバウンドジャンプ指数(以降RJ-index)を測定し、片足測定値の両足測定値に対する割合 (以降片足両足比と呼ぶ)の算出を試みた。その結果、身長や体重、ポジションやスクワット 1RMとの有意な相関が認められた。今後、RJ-indexの片足両足比は、トレーニング現場において、 両足によるエクササイズと片足によるエクササイズの強度や量の配分を検討する際などに、有 用な指標として活用できる可能性があると考えられる。 背景と目的:バレーボール競技において、片足にてパワーを発揮する局面は、スパイク、レシ ーブ、水平方向への移動からの急激な停止や方向転換などにみられ、垂直方向への両足ジャン プなどにみられる両側性の動作と比較すると、より多様な局面において高頻度で観察される。 バレーボール選手の下肢機能の測定評価を行う際には、両側性の動作だけでなく、片側性の動 作についても考慮することが必要であろう。本報告では、女子バレーボール選手を対象に、両 足と左右の片足によるRJ-indexを測定するとともに、その片足両足比を算出し、その特性につ いて明らかにすることを目的とした。 対象者または対象チーム:対象は、全日本学生選手権における優勝実績を有するT大学バレー ボール部に所属する女子選手36名であり、ポジションによってアタッカー群21名とセッター・ レシーバー群15名の2群に分けた。 測定環境:測定は通常トレーニングを実施している施設内にて実施した。 測定手順及び分析方法:測定項目は、垂直跳と助走付垂直跳の跳躍高、スクワット1RM、両足 および左右の片脚によるリバウンドジャンプ指数であった。 結果と考察:測定を実施したところ、以下の結果を得た。 1) RJ-indexの片足両足比は、左0.32±0.06、右0.32±0.06であった。 2) 片足RJ-indexと身長及び体重との間には有意な負の相関が認められた。 3) ポジション別のRJ-indexの片足両足比は、左右ともにセッター・レシーバー群がアタッカ ー群よりも有意に高い値を示し、要因として身長及び体重の影響が関与している可能性が示唆 された。 4) RJ-indexの片足両足比とスクワット1RM体重比との間に有意な正の相関が認められた。 以上のことから、片足によるRJ-indexや片足両足比の数値には、形態やポジション特性、両足 によるスクワットの挙上能力が影響している可能性が示唆された。本報告の結果のメカニズム や競技特性との関係性の解明に向けては、利き手やプレースタイル、競技レベルとの関係につ いても検討を重ねることが必要であろう。
ISSN:2433-7773
2434-3323
DOI:10.32171/cpjssct.2024.0_31