播種性カンジダ症を合併したびまん性汎細気管支炎の1剖検例
78歳で発症し, 播種性カンジダ症の合併を認めたびまん性汎細気管支炎 (DPB) の1剖検例を報告した. 症例は79歳, 男性. 78歳より咳嗽, 喀痰が, 79歳より息切れが出現し, 当院へ入院した. 慢性副鼻腔炎を認め, 胸部では水泡音, 喘鳴音を聴取した. 胸部X線像では, 全肺野に粒状影と両下野にトラムラインがみられ, 臨床的にDPBと診断した. 抗生剤治療を行ったが, やがて Pseudomonas aeruginosa に菌交代し, 呼吸不全を伴うようになった. ステロイド剤の併用と抗緑膿菌抗生剤を使用したが, 発症より約2年の経過で呼吸不全により死亡した. 剖検では, 肺は典型的...
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 24; no. 8; pp. 918 - 923 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.08.1986
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.24.918 |
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Summary: | 78歳で発症し, 播種性カンジダ症の合併を認めたびまん性汎細気管支炎 (DPB) の1剖検例を報告した. 症例は79歳, 男性. 78歳より咳嗽, 喀痰が, 79歳より息切れが出現し, 当院へ入院した. 慢性副鼻腔炎を認め, 胸部では水泡音, 喘鳴音を聴取した. 胸部X線像では, 全肺野に粒状影と両下野にトラムラインがみられ, 臨床的にDPBと診断した. 抗生剤治療を行ったが, やがて Pseudomonas aeruginosa に菌交代し, 呼吸不全を伴うようになった. ステロイド剤の併用と抗緑膿菌抗生剤を使用したが, 発症より約2年の経過で呼吸不全により死亡した. 剖検では, 肺は典型的なDPBの所見を示し, 一部に巣状肺炎あるいは嚥下性肺炎の合併がみられた. また, 播種性カンジダ症による多発性微小膿瘍を, 肺, 肝, 腎, 心, 膵, 脳に認めた. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.24.918 |